アイルトン・セナ没後20年でイベントが続々。事故があったイタリアのイモラでは追悼式典も

2014年 04月 28日

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アイルトン·セナがイタリアのイモラ・レース場で事故死してから20年目を迎える今年、セナを偲ぶイベントや企画が世界各地で、目白押しだ。本国ブラジルでは今年のリオデジャネイロのカーニバルで、サンバ団体のウニードス・ダ・チジュッカがアイルトン・セナの功績をテーマにした行進を行い優勝を果たしたことは記憶に新しい。

日本では、4月24日に発売された雑誌「Number」852号が、セナの総力特集を掲載している。フジテレビNEXTでも、5月1日(木)22時~深夜0時にセナ没後20年の特別番組「F1お台場カフェ〜今夜はアイルトン・セナを語ろう」を放送。セナを撮影しつづけてきた写真家・金子博氏や、F1解説者で元レーサーの片山右京氏などが出演する。深夜0時~は映画「アイルトン・セナ~音速の彼方へ~」を放送する。

しかし、レース場のあったイタリアのイモラでは、常に直接セナと接していた人たちが多く、皆が、今なおセナの想い出を胸に抱いているようだ。

イモラでは、セナの功績を讃える式典が準備されているとニュースサイト「The Malay Mail Online」(4月25日付け)が伝えている。式典は4月30日より5日間に渡って行われる。3度に渡るF1世界選手権の勝利者セナの、慈善精神とカリスマ性、功績を称えるという。

バリチェロ・ファンクラブの創設者で、現地でバーを経営するジャンニ・メッゼッティ(56)さんは「あの事故はあたかも昨日だったように覚えています。私は1週間泣きました」という。このファンクラブは、セナ同様ブラジル出身の旧フェラーリ・ドライバー、ルーベンス·バリチェロにちなんで名付けられたファンクラブだ。

メッゼッティだけではない。イモラの住民たちは、今もセナのことを鮮明に覚えている。セナが、事故で身体が麻痺していた若いファンをいつも訪問してくれていたことや、滞在先のホテルの従業員たちにいつもレースのチケットをプレゼントしてくれたことを。

この町の、セナに対する思い出はいつまでも消えない。

(文/加藤元庸、写真/Fernando Frazão/Agência Brasil)
写真は3月3日、リオデジャネイロのサンバカーニバルでのウニードス・ダ・チジュッカの行進。のテーマは「Acelera, Tijuca(アクセル全開、チジュッカ)」。アイルトン・セナに捧げられた