ブラジル対チリのPK戦を観戦するブラジル人の姿がフェイスブックで話題に

2014年 06月 30日

サッカー好きであれば、どこの国のサポーターにだって起こりそうな話だが、やってしまったのがブラジル人だけに、ネット上で面白おかしく話題にされてしまった。

動画の主人公はパラナ州のビジネスマン、ハファエウ・ガンバリンさん。彼が勤めている会社で、親戚一同や仲間と一緒に試合を観ている途中で、このハプニングは起こった。

試合は延長戦を終えるまでは1-1で、ブラジルもチリもどちらも退かず、という様相だった。それどころか、優位とみられていたブラジルには幻のゴールなどもあって、ブラジル側のサポーターは「ヤバい! この雰囲気はダメだ」という思いも強まっていたのだろう。PK戦に入ると、運に左右される面も大きくなるため、実際の実力以外のところで試合が決まってしまう可能性がある。

それでもブラジルは幸先よく得点先行でPK戦をスタートさせた。

チリのマウリシオとブラジルのウィリアンがゴールに失敗して、ブラジルが1-0のリードする中、チリの二人目のキッカーとして、先制ゴールを決めたアレクシス・サンチェスが登場したときのことだ。

ブラジルのGKはジュリオ・セザール、言わずと知れたブラジルセレソンの守護神である。守護神はコーナー角に飛びついて、見事にサンチェスのシュートを弾き返した。テレビでブラジルセレソンの応援をしていたサポーターも皆、興奮したことだろう。

仲間と共にテレビで観戦していたハファエウさんは、興奮しすぎてテレビに抱きついた。そのとき、ゴールに失敗してがっかりしているチリのサンチェスの姿が目の前の画面に映ったのに反応して、つい「復讐」の手が出てしまった。

画面がひび割れ、受信できなくなってしまったテレビに慌てるハファエウ氏を尻目に、PK戦の続きが気になる仲間たちは、慌てふためき速攻で続きが見られるテレビを求めてその場を去っていった。

テレビを壊したブラジル人も、続きを見たくて本気で慌てるブラジル人も、人間くさくてたまらなく面白い。

この一部始終は、当時の状況をたまたま撮影していた叔父のマルリ・ガンバリンさんによってフェイスブックにアップされ、たちまちブラジル中で話題になった。現地メディア(「G1」、6月29日づけ)の取材に対してマルリさんは、今後ハファエウさんがテレビでサッカーを観戦する際は、彼専用のテクニカルエリアを作り、離れた場所からテレビを見てもらうようにすると語っている。

(文/加藤元庸)