ワールドカップでもジャッジする億万長者審判

2014年 07月 5日

ヨナス・エリクソン審判

サッカー好きなら、スーパースターたちが繰り広げるプレーをフィールドの中で身近に見られるチャンスがあったら、それほど興奮できるシチュエーションはないのではないだろうか?

ましてや、自分のジャッジでゲームが左右できるとなると、堪らない快感なのではなかろうか?

ヨナス・エリクソンさん(40)はスウェーデン人のサッカーの審判。今回のワールドカップにも参加していて、ブラジル対カメルーン、USA対ガーナや、ベスト8入りを決めるアルゼンチン対スイスの試合でも笛を吹いた。

ヨナスさんは現在ストックホルムの古都シグチューナに住んでおり、億万長者であるにも関わらず審判として働いていることで、FIFAの公式サイトでも話題になっている。

20歳の時からプロサッカーの審判をする資格を取って笛を吹いており、2002年からFIFAで国際的な試合の審判をしている。

投資業界に身を置いていたが、2011年以降はビジネスの前線から遠ざかり、サッカー審判として人生をかけているそうだ。

2013年にヨナスさんのことを記事にした「デイリー・メール」によると、何人かのサッカーの審判は7万ポンドくらいまで年間で稼ぐことができるという。しかし、ジョナスさんは、貯金の利子でそれ以上を稼ぐことができてしまう。6年前にスウェーデンのスポーツメディア会社IECの15パーセントの株式を売却して大富豪になったからである。

IECはストックホルムを拠点に、テレビ局やメディア企業にインターナショナルなテレビ放映権を販売するだけでなく、ヨーロッパを中心に、中東、アジア、オ セアニアにもオフィスを構えている巨大企業である。IEC社のアーカイブには1993年までさかのぼると、5,000以上のビッグイベントに関する著作権がある。

お金よりもサッカーを選んだヨナスさん。彼ほど、人生を謳歌しているサッカーファンはいないかもしれない。

(文/加藤元庸、写真/Marcello Casal Jr/Agência Brasil)
6月23日に行われたブラジル対カメルーン戦。中央が審判のヨナスさん