カテゴリ : column サッカー フッチボウ・アルチ~ブラジルサッカーの魅力~
2014年 07月 14日 00:39
W杯ブラジル大会は、ドイツの優勝で幕を閉じた。
それにしても、この1か月はあっという間に過ぎ去ってしまった。グループリーグのころは楽しかった、と思う。
さて、ブラジルのここ2戦についてだが、あまりに衝撃が強すぎた。今回のブラジルがそれほど強くない、ということがわかっていたとしても、この2試合の結果は、残念というか唖然とするしかない。
ドイツ、オランダはそれぞれ、グループリーグ初戦を大量得点で勝っている。私はそのいずれの試合も現地で観たが、サルヴァドールのタクシー運転手が言っていた通りになってしまった。ブラジルが戦ったらスペインやポルトガルよりももっとひどい結果になると…。
この結果は、まずは決定的な実力差だろう。しかし、それだけではない。
ブラジル人は乗せたらとことん強いが、一旦やる気をなくしたらもうダメだ。メンタルが異常なほどに弱いのだ。そんなブラジル人気質も出てしまったのだろう。
それにしても、3位決定戦は、名誉挽回のチャンスでもあったわけだが、まったくダメだった。見ていても、まったくゴールが決まる感じがしない。
この試合、こんな状況でも、観客の多くがカナリアイエローのセレソンのシャツを着てスタジアムまで応援に行ったのだ。なんとか、自分たちの誇れるセレソンを見るために…。しかし、結果は散々だった。最後は、大ブーイングで終わってしまった。
地元開催のブラジルにとって、本当に残念な大会になってしまった。世界中に、自分たちの弱さ、脆さだけをアピールしたような大会になってしまった。
ブラジルの体たらくを見ていると、日本代表の試合ぶりなんてかわいく見える。
何ごとも、行き当たりばったりでやってしまう国である。この惨状から立ち直るのは容易ではないだろう。しかし、立ち直らなければならないのだ。それが、ブラジルセレソンに課せられた使命である。
4年後の大会では、ブラジルはどのような戦いを見せてくれるだろうか?
優勝してくれとは言わない。見ている人たちにこれぞセレソンと思わせてくれるような戦いぶりをぜひ見たいものである。
(文/コウトク、写真/Fernando Pereira/Secom/PMSP)
7月13日、ブラジルにとって最後の試合となった対オランダ戦が終わった後のサンパウロ市ヴィラマダレーナ地区。サポーターたちの心中やいかに
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