ブラジルの大手通信事業企業チン、中国のZTEと次世代ブロードバンドイノベーションセンターを設立へ

2014年 07月 29日

ジウマ大統領と習主席

世界的企業に成長した中国のZTEは、ジルマ・ルセフ(ジウマ・フセフィ)大統領と習近平主席が出席したブラジリア、外務省での式典で、超ブロードバンド・プロジェクトに関するTIM(チン)・ブラジルとの合意に調印したと、7月28日、発表した。

チン・ブラジルは、ブラジルで2番目の規模のモバイル通信事業者。テレコム・イタリアの子会社で、TIMはTelecom Italia Mobile(テレコム・イタリア・モービレ)の略。リオデジャネイロに本社を置くチン・ブラジルのネットワークは3,400都市に広がり、ブラジルの都市人口の95%をカバーしている。

ZTEコーポレーション(ZTE)はは通信機器、ネットワークソリューションを提供するグローバル企業。無線、アクセスやベアラー、VAS、端末、プロフェッショナル・サービスなど、あらゆる通信セクターを網羅しており、製品およびサービスを、160を超える国の通信事業者500社以上に提供している。

ZTEは、チン・ブラジルへの最大の超ブロードバンド・ネットワーク・ソリューションの供給会社。2012年以後、両社はリオデジャネイロとサンパウロの両州への超ブロードバンド・ネットワークの導入で協力しており、これは中南米で最も先進的なブロードバンド・ネットワークとなっているという。

2014年、ZTEはDSLAMソリューションの導入のための大規模超ブロードバンド・プロジェクトの入札に招待され、チン・ブラジルとの協力関係が強化した。ZTEのチン・ブラジルとの提携では、チンの固定線超ブロードバンド商品であるライブ・チンが提供される予定。

両社は、次世代ブロードバンド技術の研究を陣頭指揮を執る共同研究所・技術革新センターをブラジルに設立することを目指すほか、超ブロードバンド・プロジェクトにおける今後3年間の提携についても合意したという。

共同研究所・技術革新センターでは、XG-PON(パッシブ・オプティカル・ネットワーク)、NG-PON2、G.Fastを含むブロードバンド技術の研究を行うとのこと。

両社の枠組み合意は、チン・ブラジルのマリオ・ジラゾーリ副社長とZTEのユー・シン副総裁によって署名された。

「ZTEは、チン・ブラジルと提携して将来のブロードバンド技術を開発できることを喜ばしく思います。ZTEは、次世代ブロードバンドの技術革新に投資する意向を持っており、これが将来の通信および情報技術サービスの発展の基盤となると思っています」とユー氏は語った。

ブラジルと中国がより深い関係を構築しつつある一例である。

(文/加藤元庸、写真/Marcelo Camargo/Agência Brasil)
7月17日、ブラジリア。外務省(イタラチー宮)で習近平主席を迎えたジウマ大統領。ZTEとチン・ブラジルの調印は両首脳が出席した記念式典で行われたという