W杯大会後の12都市スタジアムに具体的な利用案が浮上
2014年 08月 14日W杯に向けての建設中に事故で犠牲者を出し、大会開催までに間に合わないのでは? と心配もされていたサッカースタジアムの新築や改装工事。
約40億USドルという莫大な金額になった建設費は大会前には、税金の無駄遣いだという声もあがり、国民からはデモを伴った大ブーイングを浴びた。
そんなこともあり、大会終了後に各スタジアムがどのように使われるかも注目されていたが、国も各州も、利用方法を検討している。アメリカ合衆国のメディアが、現状を紹介した。
2016年の夏季オリンピック時に幾つかの会場が使われる予定もあるが、貧困層のための居住地域に変えていくアイデアなども出てきているという。マナウスのスタジアムは刑務所に変わる という噂も建設前から伝わっている。
しかし、もっと現実的な案として、大都市に作られた各スタジアムを、コンサート・ツアー会場として使うプランが具体的に進められているという。
「ブラジルは今、素晴らしいスタジアムネットワークが国中にあり、これはライブ音楽ビジネスにとってはポジティブなインパクトを既に与えている」と、ブラジル人プロモーター、ルイス・オスカー・ニーマイヤー氏は語る。
ルイス氏が経営するプランミュージック・エンタテインメントは、ブラジル国内でザ・ローリングストーンズ、リアーナ、ストーン・テンプル・パイロッツ、マイリー・サイリスなどのツアーを企画してきた。
「ベロオリゾンチ、ポルトアレグレ、フォルタレーザ、ブラジリア、レシフェ(ヘシーフィ)、サルバドール、クリチバなどの準大都市マーケットでは、数年前までは大型コンサートは開催されていませんでしたが、今では国際的なアーティストによるツアーの舞台となっています」
ルイス氏はこれらの準大都市には潜在的に大勢のリスナーがいることを証明するため、ベロオリゾンチとブラジリアで、エルトン・ジョンやビヨンセのショーのチケットが売り切れた例を挙げている。
1年をフル利用されることはなくても、大型ツアー開催地として、ブラジルは注目される市場となりそうだ。
(文/加藤元庸、写真/Alexandra Martins/Agência Minas)
ワールドカップ開催地のひとつとなったベロオリゾンチ市のスタジアム、ミネイラォン