サンシャインシティ「フェスタ・ド・ブラジル」お店紹介(17) 「らてん屋」。W杯公式グッズに隠されていたほろ苦い物語とは!?

2014年 09月 14日

らてん屋

「ワールドカップが開催される前、FIFAのライセンス商品を作ったいくつかの企業が、大手流通企業の店舗だけで独占販売する売り方をしたためです」(後藤さん)

ブラジルで開催されるワールドカップを心待ちにしていた後藤さんは、この大会を心から楽しみにしている人たち、盛り上げたいと思っている人たちが商品を扱えないという体制に疑問を感じ、多くの商品を自社で大量に買い取った。

「イベント会場の出張ショップや、ブラジル関連の飲食店など、仕入れられる数は少ないけれどワールドカップを盛り上げたいと思っている人たちはたくさんいるはず」。そう思って自分で買い取り、グッズを置きたいと思っていそうな店に卸そうと考えた。

「ところが、ことのほかみなさん、あまり今大会に盛り上がっていなくて(笑)。売れ残ることを気にされてあまり売れないまま、ブラジルが負けてしまい…」(後藤さん)

大手流通のみで独占販売されようとしていたシステムに反旗を翻し、そのシステムから解き放たれた黄色と緑のグッズの数々やフレッコたちは、後藤さんの元に残った。

「そんなわけで、結局のことろ、売れ残りやけくそセールですが(笑)、この夏の自分のいろんな想いが籠ったセールでもあります」(後藤さん)

ちなみに、これらの日本で作られた大会公式グッズは海外では売られていないので、案外、貴重な商品だったりもする。

らてん屋

また、「フェスタ・ド・ブラジル」の「らてん屋」ブースではワールドカップ関連グッズだけでなく、現地直輸入のサッカーチームのライセンスグッズや、スポーツ~音楽のDVDなども販売している。

ブラジル関連のイベントには必ずといっていいほど出店しているだけあって、横のつながりも多い後藤さん。沖縄の那覇で、音楽家・ブラジル音楽研究家の翁長巳酉さんが運営する雑貨店「Punga Ponga」のオリジナルTシャツやタンクトップなど、個性的なブラジル関連ショップからの委託販売品もある。

翁長巳酉

(写真・文/麻生雅人)
サンシャインシティ「ブラジルマーケット」11:00~20:00、入場無料

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