サンパウロ市内のピニェイロス川に飛び込み台。美女が挑戦!?
2014年 09月 21日水質汚染が問題となっているサンパウロ市内を流れるピニェイロス川に、飛び込み台が設置された。するとさっそく、ビキニを着た美女がダイビングに挑戦!?
この美女は、よくみるとマネキン人形。サンパウロ市在住のモダンアート作家エドゥアルド・スルールの新しい展示作品だ。
エドゥアルド・スルールは、都市の環境問題を題材にしたインスタレーション作品を、世間の注目を集める形で発表し続けているアーティスト。彼の新しい作品を現地メディア(「G1」、「エザミ」、共に9月18日づけ)が紹介している。
交通渋滞をテーマにした作品は、交通量が多い通りにあるビルの高層階にロープを張って上空に自転車のオブジェを展示。実際に街の中で作品を発表して、都市生活の中で人々に問題を問いかけている。
中でも、チエテ川やピニェイロス川の環境問題をテーマにした作品はエドゥアルドのライフワークと言えるシリーズ。川岸に巨大なペットボトルを並べた作品では、ペットボトルなどの投棄による川の汚染問題を、川沿いを走る車のドライバーや通行人に訴えた。
今回エドゥアルド・スルールはピニェイロス川水質清澄協会の協力を得て、水質汚染の象徴的なピニェイロス川の川岸で”ピニェイロス・リバーサイド”という展示をスタートさせた。川の環境の回復を行うためには市民自らの意識の変化が必要だとう考えのもとに、人の目を引く作品群が川沿いに展示されている。
「飛び込み台」は、川への飛び込み台の上に、川に飛び込もうとしているさまざまなキャラクターの像を設置した展示で、こちらはすでに展示を終了している。私立大学の門付近は9月17日まで、モルンビー、エンジェネイロ・ホベルト・ズッコロ橋、エウゼビオ・マトーゾ橋の各場所は9月19日まで展示された。
「玄関」は、ウベラバとジャグアレーにある排水の流入口に、エスコーラ・ヂ・サンバがカーニバルで使用した装飾や小道具をリサイクルした作品を展示。9月21日まで。
「ジャガーが水を飲むとき」は、ピニェイロス駅の向かい辺りの川岸に、川の水を飲んでいる体の巨大なジャガーの像を展示。9月26日まで。
(文/麻生雅人、写真/Eduardo Srur)