サンパウロ市の地下鉄、4号線開通で人の流れに変化

2014年 10月 27日

サンパウロ 地下鉄4号線改札

1日460万人が利用する聖市地下鉄で近年、混雑が増大している駅が出現、逆に以前の主要乗り換えポイントだった駅では混雑が緩和された。

26日付エスタード紙によると、2011年9月の地下鉄4号線開通後、セー駅の利用者は20%減少し、4号線と連結するルス駅とレプブリカ(ヘプブリカ)駅ではそれぞれ37%、72%の増加を記録した。

市北部に住み、ピニェイロスで働く仲買人のミルトン・アルベスさん(63)は地下鉄1号線と4号線を通勤に使っており、地下鉄に乗っている時間より地下鉄の駅に出入りする時間の方が長いと不満を漏らす。ルス駅内の1号線と4号線の乗り換え通路が煩雑だから「乗車時間は24分なのに、駅の行列と乗換えには26分かかるんだ。測ったんだよ」という。

ピニェイロス駅を利用する学習書編集者ガブリエラ・アルベスさん(26)は「午後6時~8時の混雑は特に酷いわ。地上階も地下も人でいっぱい。幸い、深刻な事故にはなっていないけど」と言う。同駅の利用者は11年の開業時の3.5倍になっている。

もう一つ利用者の不満を抱えるのは、2010年の開業以来、地下トンネルで4号線のパウリスタ駅と繋がっている2号線のコンソラソン駅だ。両駅間の連絡通路はピーク時には大変混み、代替案が検討されていた。

2号線と1号線が接続するアナ・ローザ(アナ・ホーザ)駅は4号線開通後に5%、同パライゾ駅も31%、利用者が減っている。地下鉄公社側は各駅の利用者の増減は、4号線の開業で通勤や通学の経路に新たな選択肢が生じ、結果的に人の流れが変わったために起きたと見ている。

公社側は「(新線や新駅の開業や改修で)人の流れが変われば、混雑も緩和される」と説明。4号線のパウリスタ駅ではベラ・シントラ通りに面した新しい出入口の建設用地の選定も終わり、近日中に建設が始まる予定であると発表した。

(記事提供/ニッケイ新聞、写真/Carol Teresa/Metrô de São Paulo)
写真は地下鉄4号線(黄色路線)の改札。自動扉方式の自動改札になっている