アフロ・ブラジル文化の重要人物を描いた舞台3部作、サンパウロで上演
2014年 11月 16日1934年にリオデジャネイロで生まれたジョアン・ダス・ネーヴィスは、1960~1970年代にカウンター・カルチャーの重要な表現集団だったグループ・オピニアォンの創設メンバーのひとりでもある。「最後の自動車」は暴走列車と化したブラジルの姿の暗喩的作品として知られている。ラウラ・カストロ氏によるとジョアンの作品は、主にブラジル人のアインデンティティの問題を映しているという。
「彼はいつも重要な文化の問題、アイデンティティの問題を描いた。この三部作は、ジョアンのキャリアの最新の3つの作品をまとめて見せるもので、アフリカ系ブラジル人の抱える問題を提起します」(ラウラ・カストロ氏)
またラウラ氏は、ジョアンの作品を鑑賞することは観客にとって「すばらしい体験」になるという。
「これらの劇から私たちは、私たちの歴史と私たちの文化的背景を知ることになります」(ラウラ・カストロ氏)
パウロ・セーザル・ピニェイロ(ミナスジェライス州出身の歌手クララ・ヌニスの夫だったことでも知られる作詞家、作家)作の「ビゾウロ・コルダォン・ジ・オウロ」では、カポエィラのホーダが演じられる。”ビゾウロ・コルダォン・ジ・オウロ”と呼ばれたバイーアの伝説的なカポエリスタ、マヌエウ・エンヒッキ・ペレイラの生涯を楽しく見せる(※「マヌエウ・エンヒッキ・ペレイラ」=ウィキペディアなどでManoelという表記が見られるが、マヌエウは記事原文Manuelに準じている。ブラジル政府が運営するパウマーリス文化財団やブラジル芸術基金(フナルチ)でもマヌエウManuelとなっている)。公演は11月14日(金)、16日(日)。
「ズンビ」は、アウグスト・ボアウとジアンフランセスコ・グアルニエリによって軍事政権時代に書かれ、上演された劇。音楽を手掛けたのはエドゥ・ロボ。10人の黒人の俳優が出演する、主役なき群像劇。正真正銘のブラジル産ミュージカル劇の草分け的作品。公演は11月20日(木)、23日(日)。
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(記事提供/Agência Brasil、訳文/麻生雅人、写真/Elaine Patricia Cruz/Agência Brasil)
写真は「ズンビ」。音楽はエドゥ・ロボ。1965年の初演時は「Arena conta Zumbi」という題で上演、レコード化もされている