サンパウロ州サウト市、チエテ川の魚大量死、2日間で40トンに

2014年 12月 3日

魚の大量死 チエテ

サンパウロ州サウト市役所は、同州を襲った大雨の後、11月29日(土)に同市を流れるチエテ川に大量の魚の死体が浮かんだことからこれを除去、魚の死骸は3トンにものぼるとTVグローボが報じていた。

その後、30日(日)にも魚の死骸は浮かび続け、除去作業を行った市によると、12月1日までに死骸は40トンを超える量になったと「G1」(12月1日づけ)が報じた。

除去された魚は市の埋め立て地に運ばれたという。

大雨が降ったのは11月25日(火)で、27日(木)には川が真っ黒に汚れていることで騒ぎになっていた。環境衛生技術公社(Cetesb)によると、黒い水の現象は、川の地面や水底に堆積していた廃棄物が豪雨によって川の水に流れ出したことから引き起こされたとしている。

一度に大量の魚たちが酸素を得るためにきれいな水を求めて、チエテ川支流のアジュダンチ水路に押し寄せ1kmの水路を進んだが生き延びることができなかったという。

サウト市の住人で旋盤工のパウロ・コンチさんによると、魚たちは生き延びようとして支流に逃げたという。同氏は27日(木)にビデオを撮影して公開、映像には数百の魚たちが水路に入り込み、水面で一所懸命、呼吸をしようとしている様子が映し出されている。

「彼らは死にかけていて、息をしようと必死だった。その様子を記録したんだ。悲しかったよ。この街で来た悲劇さ」(パウロ・コンチさん)

またコンチ氏によると、チエテ川のこの辺りの地域には、バグリ(ナマズ)、マンジと呼ばれるナマズの一種、ランバリ(ヒメハヤ)、コリンバなど数種類の魚が生息しているという。

「コリンバは50cm以上の大きさで、一匹1kg以上あるんですよ」(パウロ・コンチさん)

(文/麻生雅人、写真/Prefeitura de Salto (01/12/2014))
写真は12月1日、サウト市ではこの日もショベルカーなどで魚の遺体の除去が行われた