水不足のサンパウロ、2015年から水の浪費に罰金を徴収へ
2014年 12月 20日2014年、ブラジルではサンパウロ州を中心に異常渇水が市民生活に大きな影響を与えた。
家庭での水道使用のみならず、農業、水力発電所、ビール生産、繊維の染色等々、幅広い分野が取水制限の影響を受けた。
12月に入って雨が降り、ダムの貯水量が少しは戻ったものの、まだ制限を緩めるには至っていない地域が多い。
そんな中、TVグローボが12月19日、番組「ジョルナウ・オージ」で報じたところによると、サンパウロ州基礎衛生公社(SABESP)はサンパウロ州の31自治体で2015年1月1日から水道使用量が一定量を超えたら割増料金を課すと発表した。
基準を超過した量が20%以下なら20%の罰金、20%超なら50%の罰金が請求されるという。
2015年終わりまで消費量を低く押さえた家庭には割引料金が適用され、流水量を減らす特殊な蛇口が配布される。
取水制限の特に厳しい地域では、最低賃金額の3倍以下の家庭に貯水タンクが配られる。
ブラジルでは電力を水力発電でまかなわれている地域が多いため、水不足は停電とも密接にかかわっている。2014年にはサンパウロ州内で節水と節電の両方を義務付けられた地域もあった。
ブラジルはこれからシャワーとエアコンが手放せない真夏に突入する。水の割増料金はブラジルに住む人々だけでなく、ホテル料金への上乗せなどで観光客にも影響が出てくる可能性もある。
(文/原田 侑、写真/Reprodução/「Jornal Hoje」/TV Globo)
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