ペトロブラス贈収賄事件捜査で同公社の元国際部長ネストル被告、逮捕

2015年 01月 14日

ネストル・セルヴェロ―

(1月)14日未明、連邦警察の「ラヴァ・ジャット作戦」でペトロブラス(PB、ブラジル石油公社)を巡る疑惑「ペトロロン」の疑惑の中心人物の一人とされていた、同公社元国際部長のネストル・セルヴェロー被告が逮捕された。14日付伯字紙サイトが報じている。

セルヴェロー容疑者は14日午前0時30分頃、リオのトン・ジョビン国際空港で、旅行先であるロンドンからの飛行機から降りたところで連邦警察に逮捕された。

罪状はラヴァ・ジャット作戦で捜査されている汚職への関与によるもので、その身柄は午前8時過ぎにパラナ州クリチバの連邦警察に移送された。

連邦検察庁によると、今回の逮捕は13日に行われた家宅捜査などの結果も踏まえたもので、セルヴェロー被告は起訴後もなお現金などを動かそうとし、司法当局から身を隠そうとしていたとされている。

13日の捜査では、同被告の自宅や親類宅から収賄やマネー・ロンダリングと関連して新しく告発された事実を裏付ける証拠が発見されたという。

検察庁が金融活動管理審議会(COAF)から得た情報によると、セルヴェロー被告は、(2014年)12月に起訴された後、裁判所が休廷となる期間を利用して、金融ファンドの受取額の20%を失うにも関わらず、50万レアルを娘に送金しようとした上、収賄で得た金で購入したと思しき、総額7億レアル相当のアパート三つの名義を56万レアルで書き換えたという。

検察庁は「同様の犯罪を繰り返す恐れがある」として、逮捕拘束期間の延長も求めているが、同容疑者の弁護士のエジソン・リベイロ(ヒベイロ)氏は、この逮捕を不服としている。

リベイロ(ヒベイロ)弁護士は、今回の逮捕は、「ペトロロン」の中心人物である元供給部長のパウロ・ロベルト(ホベルト)・コスタ容疑者や闇ブローカーのアルベルト(アウベルト)・ユセフ容疑者らが連邦警察に行った証言だけに基づいたもので、決定的な証拠がないと主張。更に、娘への送金は、彼女に健康上の問題があるため、父親として行ったもので事件との関連性はないし、送金は実現しなかったとした。

セルヴェロー被告の身柄は14日午前中、パラナ州の連邦警察に送られた。これは、同作戦の非政治家の被告の裁判が同州の連邦地裁の管轄下にあるためだ(議員などの政治家は連邦最高裁管轄)。リベイロ(ヒベイロ)弁護士は至急必要書類を同州連邦地裁に送り、人身保護法の適用を求める所存だ。

セルヴェロー被告は、検察庁がパラナ州連邦地裁に昨年12月に行なった、ラヴァ・ジャット作戦での告発対象となった39人の被告の一人で、逮捕は時間の問題だった。

同被告の名前は昨年3月、PBが2005~10年に米国のパサデナ製油所を不当に高い額で購入した件で、ジウマ大統領が同社経営審議会議長だった2006年に購入に賛成したことが明るみになった際、当時の国際部長として交渉の進め方が疑問視され、コスタ容疑者らと共に「疑惑の人物」の一人に数えられていた。

(記事提供/ニッケイ新聞、写真/Laycer Tomaz/Agência Câmara)