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消えゆく先住民族文化。15年後には先住民族言語の30%が消滅か

グアラニー・ムビヤ族の言葉

先住民族博物館で部族の絶滅と言語の消失の関連性についての資料検証を行っている研究者グラウベル・ホンリンギ・ダ・シウヴァ氏はいう。

「ひとつの言語が存続すれば、風習など、その言語に連なるあらゆる文化が共に存続します。つまり多くの場合、絶滅がもたらす危機というのは言語だけの問題ではないのです。言語に連なっている暮らしのスタイルや、歌、物語など文化そのものが、あっという間に消え失せてしまいます。たったひと世代の間だけで、それらがすべて消えてしまうケースもあります」(グラウベル・ホンリンギ・ダ・シウヴァ氏)

グラウベル氏は、憲法は先住民族のために特別に教育が保証されており、先住民族の学校でネイティヴの言語を教えていることは知っている。しかし同氏は、教員をどうやって確保するか、どのような教材を作るのかなど数々の問題があり、そのための教育が実際には困難であると指摘する。今や先住民族の子どもたちは地元の学校ではなく、都会の学校に通うようになっているという。

先住民族博物館のジョゼー・カルロス・レヴィンド館長は、今や部族の村に学校があっても、必ずしも言語の保全について機能しているとは限らないと考えている。

「教育は彼らにとって社会に順応する過程で役立つものですが、必ずしもいい結果だけをもたらしているわけではありません。現在あるシステムは、こうした現実に対処する柔軟性を持ち合わせてはいないのです。先住民族たちとの関係の中にある大きな問題は、彼らならではの特殊な状況について、よく考えられていない点にあります」(ジョゼー・カルロス・レヴィンド館長)

政府と先住民族たちが対話をして、「何が起きているか、彼らにとって本当に大切なものは何なのか、現実を認識できる状況を作ることが必要」だとジョゼー館長は語る。

教育省に所属するリテラシー、多様性、包摂局、持続教育局(SECADI)のマカエ・エヴァリスト長官は、政府はこれまで「学校教育における先住民族の知識」プロジェクトを通して、先住民族の教師育成のための投資を求めてきたという。同プロジェクトは、学校でネイティヴの言語が子どもたちに教えられるようになることを目的としている。

「私たちは、先住民族の言語の多様性に対応するため、大学とのネットワークを構築しています。今日、『学校教育における先住民族の知識』プロジェクトでは77の先住民族言語の教師を育成しています。とはいえ、これは長く険しい道のりです」(マカエ・エヴァリスト長官)

マカエ長官は、教育省もまた、先住民族学校の建設や教材の制作などをとおして、先住民族の言語の研究と資料分析に投資してきたという。

「国内のいかなる場所であろうが関係なく、子どもでも青少年でも大人でも、教育が受けられることが保証されるべきです。彼ら独自の言語を持っている人たちもネイティヴの言語で教育を受ける権利を有していますし、同時に第二言語のポルトガル語で教育を受ける権利も有しています」(マカエ長官)

(記事提供/Agência Brasil、写真/Tânia Rêgo/Agência Brasil)
リオデジャネイロ州マリカーでは先住民族グアラニー・ムビア族の20家族が暮らしている。写真はグアラニー・ムビア族の言語

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