サンパウロ市でのデング熱死者の一人は他州から治療で入院していた少年

2015年 04月 23日

デング熱被害者

サンパウロ州のデング熱による死者は今月(2015年)始めまでに122人に増え、昨年の総計(90人)を早くも上回ったが、サンパウロ市での死者の一人は、ミナスジェライス州から病気治療のために来ていた11歳の少年だった。

3月9日に亡くなったエジマール・マウリシオ・シウヴァ君はミナス州モンテス・クラロスに住んでいたが、重度の貧血に悩み、4年前、骨髄移植に希望を託してサンパウロに来ていた。

エジマール君は牧畜をやめた両親と兄の4人でサンパウロ市南部のジャルジン・アンジェラに住んでいたが、肺を病んでいた父親のロウリヴァウ・ペレイラ・シウヴァさんはエジマール君同様、サンパウロ市で治療を受けていたが、1年9カ月前にてんかんの発作を起こして他界している。

エジマール君が高熱と体中の痛みを訴えてクリニカス病院で受診したのは2月25日。デング熱と診断されて入院し、治療を受けたが、免疫能力が低下していた事もあり、3月9日に亡くなった。皮肉な事に、本当にデング熱に罹患していた事を示す検査結果は、本人が既に亡くなり、法医学研究所の職員に死因を聞かれたその日になって出、サンパウロ市で2人目のデング熱による死者である事が確認されたと言う。

母親のエニジ・アパレシーダ・シウヴァさんは声がかかれば家政婦として働き、家計を支えていた。エジマール君や父親が受診していたクリニカス病院からも基礎食料品キットが支給されていたという。

エジマール君はサンパウロに来てから豚インフルエンザにも罹患したが回復。外出するのは病院に行く時だけと言ってよい状態だっただけに、どこでデング熱に罹ったのかはわかっていない。

傷心のエニジさんは市役所が基礎食料品キットを出してくれたか確かめに行く気力さえなくしており、13歳の息子と共にミナス州に帰る手立てを探し始めている(22日付「フォーリャ」紙サイトならびに3月17日付「G1」サイトより)。

(記事提供/ニッケイ新聞、写真/Reprodução/Jornal Hoje/TV Globo)
写真は、エジマール・マウリシオ・シウヴァ君、「ジョルナウ・オージ」より。TVグローボのニュース番組「ジョルナウ・オージ」はIPCTV(グローボ・インターナショナル)で放送中。視聴のお問い合わせは、080-3510-0676 日本語対応ダイヤルまで)