ブラジルの動物や民衆の姿を刺繍で表現するクラリッシ・ボリアン
2015年 06月 6日サンパウロで活動する刺繍作家クラリッシ・ボリアンの作品が、伊勢丹新宿店で開催中のブラジルウィーク「BRASIL FANTÁSTICO! 祝彩楽園 ブラジル」で紹介されている。
刺繍作家、ファッションデザイナー、社会起業家としての経歴も持つクラリッシ・ボリアンは、レディース・ブランド「ブラズー(BRAZOO)」の創始者としても知られている。
中西部にあるマットグロッソ州と南部にあるパラナ州の州境が出身というクラリッシは、人類学、経営管理学を習得後、クリエイター、製品管理などで活躍。1997年に「ブラズー」を旗揚げした。
「ブラズー」は、読み書きができない女性や高齢者、低所得者層で仕事がない女性などのために、手作りによる服の生産を行う活動も行い、参加者にかぎ針編み、編み物、絵、刺繍、パッチワークなどのワークショップを行いながら、服を生産してきたという。
ブランドとしての「ブラズー」のテーマは、ウェアのデザインを通じてブラジルの動物たちを紹介するというものだった。ブランド名「ブラズー(BRAZOO)」はブラジル(Brasil)と動物園(Zoológico)を掛け合わせた造語がベースになっている。同時に、版画を使った小冊子「リテラトゥーラ・ジ・コルデウ」(参考:http://megabrasil.jp/20140921_14135/)など、ブラジル固有の民衆文化にもインスピレーションを得ているという。
クラリッシは2011年にマリア・ミカロウプロスにブラズーを売却、ブランドは今も続いているが、クラリッシはアーティストとして活動。2014年にはサンパウロのボツカツ協会で、サンパウロ在住の自然染色研究家、川上久子さんとの共同展「川上久子とクラリッシ・ボリアンの自然」に参加している。
クラリッシさんの刺繍も、初期のブラズーの理念と同様に、ブラジルの自然の中の生き物たちや、「リテラトゥーラ・ジ・コルデウ」のビジュアルにインスパイアされた民衆の姿など。
販売は伊勢丹新宿店本館5階センターパーク。またセンターパークでは、ブラジルの楽器や書籍も販売。バイーアの写真展も開催している。「ブラジルカルチャー図鑑」も販売中。
「ブラジル・ファンタスチコ! 祝祭楽園ブラジル」
伊勢丹新宿店 本館・メンズ館 各階 6月3日(水)~9日(火)
日本橋三越本店 本館・新館 各回 6月10日(水)~16日(火)
銀座三越 9Fテラス/テラスコート 7月15日(水)~21日(火)
詳細は特設サイトを参照。ブラジル文化や、ブラジルの「今」を紹介するWEBマガジン「A Boa Vida」もサイト内で公開中。
(写真・文/麻生雅人)