宗家藤間流八世宗家・藤間勘十郎、サンパウロとリオで日本舞踊を上演へ

2015年 07月 24日

土蜘蛛伝説

舞踊・総指揮は八世藤間勘十郎。他の舞踊の出演は、市川ぼたん、澤村國矢、藤間寿、藤間あかね、苅谷文隆。

八世藤間勘十郎は、天界の皇子如水、仙人酒老導師、石蜘蛛仙人(悪鬼土蜘蛛)の3役を、歌舞伎における“早変わり”の演出方法を用いて演じる。

仙女白菊に扮する市川ぼたんは、父が十二代目市川團十郎(歌舞伎)、兄が十一代目市川海老蔵(歌舞伎)。

「ブラジルには日本人、日系人の方も非常に多いと伺っておりますし、たいへんな親日家の方々もいらっしゃると伺っております。日本からすればまったく真反対側の世界にこのたび伺わせていただくことで、改めて、日本っていいなと思っていただけるような舞台ができたらいいなと思っています」(市川ぼたん)

音楽家は、長唄・唄は、松永忠次郎、日吉小八郎、杵屋左喜。長唄・三味線は芳村伊十一郎、東音河野文、杵屋五章。鳴物は、梅屋巴、梅屋右近、藤舎千穂、福原徹秋、福原千鶴。筝曲は佐藤亜美。

壮行舞台の上演前には、アンドレ・コヘーア・ド・ラーゴ駐日ブラジル連邦共和国大使による挨拶も行われた。

「今回、宗家藤間流八世宗家・藤間勘十郎のブラジル公演壮行舞台にご招待いただき、大変光栄に存じます。今年は両国にとって、国交樹立120周年に当たります。両国は既に素晴らしい関係を築き上げることに成功しています。この節目の年に、我々が果たすべき役割は、双方の関係をますます近づけること、より強固にすることだと考えていますこのたび、年百年もの伝統を誇る日本舞踊の名門である藤間勘十郎師匠を通じて、日本の伝統芸能の素晴らしさにブラジルの人々が接することができることは、大変価値ある事だと思います」(アンドレ・コヘーア・ド・ラーゴ駐日ブラジル連邦共和国大使)

日本ブラジル国交樹立120周年の今年、両国間の絆をより深めるためのさまざまな催しが日本でも開催される。現在、東京都現代美術館では「オスカー・ニーマイヤー展 ブラジルの世界遺産をつくった男」が開催中。 8月8日(土)、9日(日)には三浦海岸で、ブラジル発祥のビーチスポーツ「フレスコボール」の日本国内初となる大会が開催される。

また、アンドレ・コヘーア・ド・ラーゴ駐日ブラジル連邦共和国大使は、外交樹立120周年である今年が終わっても、両国間の絆を深めるための活動は続けていきたいと語った。

「今回、壮行公演が行われる都市のひとつリオデジャネイロは、ご存知の通り来年2016年にはオリンピック・パラリンピックが開催されます。そして次のオリンピック・パラリンピックの開催地は、ここ東京です。この両大会の間に渡る4年間にも、リオデジャネイロと東京の懸け橋となるような文化イベントを開催していきたいと考えています」(アンドレ・コヘーア・ド・ラーゴ駐日ブラジル連邦共和国大使)

「宗家藤間流八世宗家・藤間勘十郎」ブラジル壮行公演

サンパウロ公演 8月14日~16日 会場:SESC SP(ピニェイロス)
リオデジャネイロ公演 8月20日~22日 会場:Cidade das Artes

(写真・文/麻生雅人)