ヘシーフィで演習中の日本の海上自衛隊員が“日伯交流活動”の一環で町を清掃、ブラジル国内で話題に

2015年 07月 31日

海上自衛隊ヘシーフィ

日本の海上自衛隊員のボランティアグループが、7月30日(木)午後、ペルナンブッコ州ヘシーフィ(レシフェ)市の地下鉄セントラウ駅周辺の通りでゴミ拾い活動を行ったと現地メディア「G1」などが報じた。

海上自衛隊では5月21日(木)から第65期一般幹部候補生課程修了約170名(うちタイ王国海軍少尉1名)を含む約700名が遠洋練習航海を行っている。

予定されている訪問先はアメリカ合衆国(パールハーバー、サンディエゴ、ヒロ)、グアテマラ(ケツァル)、コロンビア(カタルヘナ)、ホンジュラス(コルテス)、ドミニカ共和国(サントドミンゴ)、ブラジル(レシフェ、リオデジャネイロ、サントス)、ウルグアイ(モンテビデオ)、アルゼンチン(ブエノスアイレス)、チリ(バルパライソ)、ペルー(カヤオ)、ニカラグア(コリント)、メキシコ(マンサニージョ)。練習航海は10月27日(火)まで160日間行われる。

海上自衛隊によると、遠洋練習航海の目的は、「初級幹部に対し、外洋航海を通じて、学校等において修得した知識・技能を実地に習得させるとともに、慣海性をかん養し、幹部自衛官として必要な資質の育成に資する」ことと、「諸外国を訪問することにより、派遣員の国際感覚のかん養に資するとともに友好親善の増進に寄与する」ことの2点とのこと。海上自衛隊では1957年以降、毎年遠洋練習航海を実施しており、今回で59回目となるという。

同演習での海上自衛隊のブラジルへの寄港は2008年以来だという。ヘシーフィ訪問は、日本ブラジル外交関係樹立および通商航海120周年の記念事業の一環で行われたという。

自衛隊は、7月28日(火)に海上自衛隊練習艦「しまゆき」でヘシーフィ港に到着した。在ブラジル日本国大使館によると練習艦隊は、31日(金)までヘシーフィに滞在する。

30日(木)の午後にはヘシーフィの公共保育園に預けられている子どもたち80人が「しまゆき」に招待され、日本から寄贈された衣服や学用品を受け取ったという。そして、この日、彼らが街を清掃する姿は現地の人々を驚かせたという。

「学校の授業で取り上げたいと思うだけでなく、全ての人々に役立つ手本を日本人は与えてくれます。私は人々がゴミを捨てる前にいちど考えるようになることを信じています」と教師のクレリア・バホスさんは言う。

この記事に対し、ブラジル国民は、

「(地球の)反対側の人々がわざわざ来て、本来我々がするべきことをするなんて・・・恥ずかしい」

「ブラジル人は、“拾う”前にまず“捨てない”という教育をしないといけない」

「ブラジル人でも環境について考えて行動する人もいる」

などとコメントしている。

ブラジルのメディアの取材に対し、在レシフェ領事事務所の関口ひとみ所長は日本における教育と清掃との関係を紹介した。

「子供の頃から、我々日本人は学校で清掃する必要があることを学びます。そして子供たちは教室で椅子などをきれいにし、年齢を重ねるにつれて廊下やバスルームなど、他の場所の清掃も学んでいきます。我々は常に清掃を教育されてきました」(関口ひとみ所長)

昨年のブラジルワールドカップ期間中には、ヘシーフィ大都市圏のスタジアム「アレーナ・ペルナンブッコ」での日本対コスタリカの試合後、日本人サポーターが観客席のゴミを袋詰めにした。その姿がスタジアムにいた人々の注目を集め、ブラジル中の多くの人が共鳴したことは記憶に新しい。

海上自衛隊の練習艦隊は、8月4日(火)~7日(金)にリオデジャネイロ、8月5日(水)~8日(土)にサンパウロ州サントスを訪問予定。8月5日(水)には、サンパウロ州サントスで開催される日系諸団体との交流や記念式典への参加が予定されている。

(文/柳田あや、写真/Reprodução/Globo Nordeste)
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