ブラジル人選手パトリックへの人種差別投稿、ブラジルでも話題に
2015年 12月 1日ガンバ大阪に所属するブラジル人選手FWパトリックに対し、SNSで人種差別的な発言が投稿された事件が、ブラジルのメディアでも取り上げられ、波紋を読んでいる。
11月28日(土)、埼玉スタジアムで行われたJリーグチャンピオンシップ準決勝、浦和レッズ対ガンバ大阪の試合で、1得点をあげたブラジル人選手であるFWパトリックに対し、レッズのサポーターによる人差別的表現がツイッターに投稿された。
パトリック本人は「黒人死ねよ」という投稿を受け、「本当に私や私の家族を傷つけました。この書き込みをした方に対してですが、こういうことは人間としてやるべきではない」、「人種差別を受けたのは初めてですし、まさかこの国でそういう目にあうとは思いませんでした。この国はものすごく好きですし、リスペクトしています」とSNSで想いを公表した。
翌29日、Jリーグはこの件に関するプレスリリースを発表。「本件のような差別的な行為は絶対に許されないことであり、引き続き差別撲滅に向けての取り組みを進めてまいります」とメッセージを公表。
その後、30日にJリーグは、投稿をしたという本人が所属する高等学校からパトリック選手に対し、反省と謝罪の意を示す申し出があったことを発表した。
投稿者本人も、パトリック選手および、浦和レッズ、ガンバ大阪、Jリーグに対しても謝罪の意を表明しており、パトリック選手も、投稿者の反省と謝罪の意を理解して受け入れているという。
事件は早々にブラジルのメディアでも報じられた。グローボ・エスポルチは29日づけで「アマパー州出身のアンデルソン・パトリックにとって喜びの日となるはずだった28日(土)は悲しみの日となった」と伝え、パトリックが発信したSNSのメッセージを掲載した。
(文/玉井健太郎、写真/Divulgação via ipcdigital)