見た目とギャップあり過ぎ!? ブラジル人の愛称
2016年 05月 11日先日、男女二人組の訪問者が会社に来ました。男性の方は身長が180cm程あり、洋ナシのように下膨れして、肥満体形の人でした。
彼の名前はセルジオと言うのですが、一緒に来た女性は彼のことを「セルジーニョ」と呼んでいたんです。この愛称に違和感を感じてしまった、というお話なのですが、その理由は…。
ブラジルでは、名詞の語尾を変化させて別の意味を持たせることがあります。名詞の語尾に-ãoをつけると、名詞に「大きい」という意味を加えることができます。例えば、感謝を意味するObrigado(オブリガード)の後ろに-ãoをつけて、Obrigadão(オブリガダォン)にすると、大きい感謝という意味になり、感謝の度合いを強めることができます。
反対に、名詞の語尾に-nhoを付けると、「小さい」と言う意味が加わります。例えば、時間を意味するTempo(テンポ)の後ろに-nhoを付けると、Tempinho(テンピーニョ)となり、短い時間という意味に変化させることができます。
このルールは、あだ名や愛称で人を呼ぶときにも適用されることがあります。
例えば、日曜日のTVグローボ系列のTV番組「Domingão do Faustão(ドミンガォン・ド・ファウスタォン)」の司会者、Fausto Silva(ファウスト・シウバ)は、太って大きいからか、Faustão(ファウスタォン)とよばれています。
2014年W杯のブラジル代表で、現在は中国のチームでプレイしているJosé Paulo Bezerra(ジョゼ・パウロ・ベゼーハ)選手は、Paulinho(パウリーニョ)という愛称で知られています。
さて、セルジーニョ達が帰った後、同僚のブラジル人三人くらいが集まって、セルジーニョというあだ名の妥当性について議論が交わされました。
セルジーニョと言うからには、背が低かったり、痩せていたりしていてしかるべきなのですが、当のセルジオは、100人中100人が認めるほどの肥満体形で、セルジーニョというあだ名が似つかわしくなかったようです。
「あれは、最低限セルジーニョではなく、セルジオと呼ぶべきだ」
「いや、むしろあれはセルジォン(Sergião)でしょ」
「もしかしたら、彼の会社にはセルジーニョより太ったセルジオが居て、その人と区別しているのかもしれない」といった、勝手な議論、憶測を交わしていました。
余談ですが、ブラジルに来て間もない頃、取引先のブラジル人から、同僚のゴルジーニョという人を紹介されました。
皆がその名前で呼ぶので、ぼくも「Seu Gordinho(ゴルジーニョさん)」と気安く呼んでいたのでしたが、後になって、それが本名ではなく「太っちょ」という意味があるのを知った時は少し焦りました。ブラジル人のネーミングセンスは、日本と違いますね。
(文/唐木真吾、写真/Carol Caminha/Gshow/TV Globo)
こちらは見た目のとおり!? 「Domingão do Faustão(ドミンガォン・ド・ファウスタォン)」の司会ファウスタォンことファウスト・シウバ。「Domingão do Faustão(ドミンガォン・ド・ファウスタォン)」などTVグローボ系列の番組はIPCTV(グローボ・インターナショナル)で放送中。視聴の問い合わせは、080-3510-0676 日本語対応ダイヤルまで