リオで33名による集団レイプ事件。アノニマスが加害者に制裁宣言
2016年 05月 28日今、一人の女性に対する悪質非道な集団暴行が、ブラジル国民を怒りの渦に巻き込んでいる。
現地紙「オ・グローボ」電子版他各紙が報じたところによると、5月21日、リオ・デ・ジャネイロ(以下「リオ」)で、薬物で昏睡させられた状態の女性(16歳)を30人以上の男がレイプするという事件が起こったという。
被害者の女性が警察に語ったところでは、当日、3年前に知り合って関係を持っていた若者の家に行き、二人でその場にいたという。
その後記憶がなくなり、目が覚めたのは翌日日曜日で、全く別の家にいて、ライフルやピストルで武装した33人の男に囲まれていたという。その時彼女は裸で、眠らされていたことに気づいた。
女性は24日に彼女の自宅を訪れた捜査員に、薬物の使用はしたが、事件当日には使っていないと語った。
そして24日、女性は自分が裸で眠らされている姿がインターネットで出回っていることを知った。家族は女性が裸で眠ったまま傷つけられている状態のインターネット画像と動画を見るまで25日まで女性がレイプされたことを知らなかったという。
女性は26日、法医学センターで検査を受けた後、リオのセントロ地区にあるソウザ・アギアール病院に運ばれ、引き続き検査を受けた。そこで性感染症予防の薬を投与された。30日には女性が警察の保護を受ける必要があるかどうか審議される。
女性の親族の一人は悲嘆に暮れながら言う。
「彼女にとって最も残酷なのは、33人の中には学校で知り合った彼女の元恋人も含まれていることです。眠った彼女をレイプして、さらに彼に呼ばれた30人が同じ事をしたのです。彼女の父親はそのことを口にできず、ひたすら泣いています。人間が希望に満ちた16歳の女の子にそんなことができるものなのでしょうか?でも彼らはそのようなことをするのです。家族としては言葉もありません」
この事件に対する世間の反応を受けて、女性はフェイスブックに2度投稿をしている。27日に投稿された最新のコメントでは次のように記している。。
「痛むのは子宮ではなくて魂です。罰せられるべき残酷な人々が存在していることに対して魂が痛みます。私を支えてくれてありがとう」
それから、SNSで展開され始めたキャンペーン『レイプ文化を終わらせよう(fim da cultura do estupro)』に参加することを表明した。
捜査の状況について27日、リオ文民警察フェルナンド・ヴェローゾ長官が語ったところによると、レイプがあった可能性は非常に高いが、投稿されたビデオの分析結果報告を待っているところだという。
27日の午後の時点では容疑者の誰にも逮捕状が出ていない。長官いわく、いったい何人がこの犯罪に関わったか注意深く判定する必要があるという。
リオの法務・市民生活局アレシャンドリ・ヂ・モラエス局長は27日夜、この集団暴行事件が法の処罰から逃げられることはないと語った。
「この事件の加害者が処罰から逃れられることはまずないと確信しています。犯罪に加担した者すべてが処罰されます」(モラエス局長)
その傍らでリオ公安局ジョゼ・マリアーノ・ベウトラミ長官は現段階では容疑者を逮捕できるだけの法的な詳細情報がないと語った。
この事件の加害者に対してはSNSでも怒りの声が高まっている。その中でアノニマス・ブラジルが次のような投稿をしている。
「アノニマスは自由な思想、自由のために戦う集団だ。この思想に反する人は誰でも我々の敵とみなす。これは我々の敵に対する、アノニマスからのメッセージだ。我々はメディアで注目されている、最近起こった集団レイプ事件に関わった人物の身元や住む場所の特定に全力をあげている」
「直接関わった者たちだけでない。この事件を手伝ったり、画像を拡散したり、見て見ぬふりをしたり、動画画像を見たり、シェアしたり、罰せられるべきはレイプをした者だけだという事実を受け入れない者も敵とみなす。このような行為に関わった者たちを我々は探し出し、特定し、身分を曝し、制裁を加える」
「このように世界にはびこる異常な男性優位主義の文化的素地は絶滅させるべきだ。レイプ事件はやり過ごせない。我々は関わった者全員が刑罰に処せられるまで黙ることはない。なぜなら我々はレイプを許さないからだ」
(文/原田 侑、写真/Reprodução/Facebook)
写真は加害者の特定を宣言しているアノニマス・ブラジルのメッセージ。同団体のフェイスブックより