景気低迷の長期化でブラジルの社会階層の構成に変動
2016年 06月 2日2013年以降の景気低迷の出口が見えないブラジルだが、2015年以降、経済危機が深刻さを増し、雇用の減少など市民生活に対する大きな影響が絶えず報じられている。
現地紙「オ・エスタード・ヂ・サンパウロ」の電子版「エスタダゥン」が5月28日づけで報じたところによると、長引く経済危機と失業率の上昇で、中流階級の家庭100万世帯が、より低い階層へ分類されることになったという。
一方でAクラスと呼ばれる富裕層では、月額収入が最低賃金880レアル(約21000円)の23倍、20800レアル(約66万円)を保っているとのことだ。
社会階層に下降の方向性が数字に出たのは2008年以来初めてとのこと。
2015年から2016年にかけて、ブラジル調査会社協会の調査によると、B2クラスと呼ばれる平均月収4900レアル(約15万円)の家庭が53万世帯増えたという。一方、C1クラスと呼ばれる平均月収2700レアル(約8万6千円)の家庭は45万世帯増加した(次ページへつづく)。
(文/余田庸子、写真/Marcelo Camargo/Agência Brasil)
写真は2015年9月8日、サンパウロ市旧市街区(セントロ)にあるプレステスマイアビル。2012年から不法居住しているサンドラさん