エドゥアルド・コブラが駐日ブラジル大使館で壁画を制作

2016年 06月 20日

エドゥアルド・コブラ

今でこそ世界各国から作品を依頼されているエドゥアルド・コブラだが、キャリアのスタートはブラジルでもおなじみの路上グラフィティ・アートを描き始めたことだった。

「最初はよくあるグラフィティを描いていました。3次元の文字や絵が当時のスタイルでした。非合法に勝手に路上に描くスタイルでした。それ以来、12年間、壁面に絵を描き続けています。私はこれしかやってこなかった。立ち止まったことはありません。描き続けるうちに訓練を重ねて、現在描いているようなスタイルにだどりつきました」

コブラは自身の作品を、グラフィティ・アート(ブラジルではグラフィッチと呼ばれる)ではなく、ムラウ(ウォールアート)と呼ぶ。

「今の私の仕事はグラフィッチではありません。ムラウと呼ばれているものです。ムラウ芸術、ムラリズモに属するアートで、これはメキシコの壁画家ディエゴ・リベラにさかのぼることができるでしょう。ムラウとグラフィッチの違いは、許諾を得て描くものかそうでないか、という点でも明白です(※注:許諾や依頼を受けて描かれる壁画をグラフィッチ(グラフィティアート)と呼ぶアーティストもいる)。

とはいえ、グラフィッチからキャリアをスタートさせたコブラは、グラフィッチに対する偏見を持っているわけではないという(次ページへつづく)。

(写真・文/麻生雅人)
写真は2015年、そごう・西武のブラジルフェア「Oi! Brasil 2015~この夏、サンパウロに恋して」で披露された作品のひとつ