ブラジル、パラリンピックでも大健闘中

2016年 09月 17日

リオパラリンピック 女子走り幅跳びT11

リオデジャネイロ・パラリンピックが開幕して1週間が経ち、残りもあと数日となってしまった。地元ブラジルでは予想以上に盛り上がっているようだ。

今大会の開幕前には、観戦チケットが相当に売れ残っているという報道もあった。しかし8月に開催されたオリンピックのクライマックスで、ブラジル国民がもっとも興味を持っていた男子サッカーと、男子バレーボールで、立て続けに母国が金メダルを獲得したことが、オリンピック・パラリンピックという世界的な大会に多くの国民の興味を向けさせたのかもしれない。観戦チケットの売り上げも増えたようだ。

リオパラリンピックでのブラジルのメダル数は、9月17日現在で、金12、銀25、銅23の合計60。日本はといえば、金0、銀8、銅11の合計19なので、完全にブラジルに圧倒されている、ブラジルは総合メダル獲得数ランキングで6位、金メダルランキングでも8位につけている。

前回のロンドン大会でも、日本が金5、銀5、銅6の獲得メダルの合計が16のところ、ブラジルは金21、銀14、銅8の合計43個で、金メダルランキング7位と素晴らしい実績を上げている。

リオパラリンピック 女子走り幅跳び

好成績の背景には、障害者スポーツの練習環境が整っていることも要因のひとつとしてあるようだ。水泳のダニエウ・ジアスやブラインドサッカーのヒカルジーニョといったスーパースターの選手も育っている。

日本でも、最近になって、テニスの国枝慎吾や上地結衣、水泳の一ノ瀬メイなど、パラリンピックの有名選手が出てきているが、知名度は、オリンピックの選手に比べれると高くはないだろう。日本は今まさに、パラリンピック、つまり身障者スポーツが注目を浴び始めている時期、過渡期なのだと思う。次期大会の開催国である日本でもこれから4年間、十分に盛り上げていってほしいと、今回のリオ・パラリンピックを見て強く願わずにはいられない。

(文/コウトク、写真/Ministério do Esporte)
走り幅跳び女子T11(視覚障害・全盲)クラスで金メダルを獲得したシウヴァニア・コスタ・ジ・オリヴェイラ選手(左から2人目)と銅メダルを獲得したロレーナ・サウヴァチーニ・スポラドーリ選手(左から3人目)

著者紹介

コウトク

2005年6月~2012年6月まで仕事の関係で、ブラジルに在住。ブラジル在住当時は、サッカー観戦に興じる。サントス戦については、生観戦、TV観戦問わずほぼ全試合を見ていた。
2007年5月のサンパウロ選手権と2010年8月のブラジル杯のサントス優勝の瞬間をスタジアムで体感。また、2011年6月のリベルタドーレス杯制覇時は、スタジアム近くのBarで、大勢のサンチスタと共にTV観戦し、優勝の喜びを味わった。

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