ブラジル小売業界の雄、パォン・ジ・アスーカル・グループ

2016年 11月 9日

エストラ スーパーマーケット

ブラジル・スーパーマーケット協会(Abras)が毎年公表しているランキング(Ranking Abras)によると、ブラジル小売業界の売上順位は以下の通りです。

1位 GPA 2015年売上高 76,933(百万レアル)/ 2016年売上高 2.54(兆円)/ 店舗数 2181
2位 CARREFOUR2015年売上高  42,701(百万レアル)/ 2016年売上高  1.41(兆円)/ 店舗数
3位2015年売上高 7693万3000レアル 29,323(百万レアル)/ 2016年売上高 レアル 0.97(兆円)/ 店舗数
4位2015年売上高 7693万3000レアル 9,267(百万レアル)/ 2016年売上高 レアル 0.31(兆円)/ 店舗数
5位2015年売上高 7693万3000レアル 4,508(百万レアル) / 2016年売上高 レアル 0.15(兆円)/ 店舗数

GPAがずば抜けて売上が大きいように見えますが、GPAの売上高には家電量販店の売上も含まれています。純粋にスーパーマーケット部分のみを抜き出すと売上高は40,242千レアルとなるので、2位の仏系「カルフール」と大体同じくらいの規模であることが分かります。

ちなみにGPAの2015年の店舗数は下記のようになっています。

スーパー アサイー パォン・ジ・アスーカル

カーザス・バイーア(家具)760
ポント・フリーオ(家電)254
ドラッグストアーズ(薬局)157
ガス・ステーション(スタンド)83
アサイー(卸売業態)95
ミヌート・パォン・ジ・アスーカル(小型店)62
ミニメルカード・エストラ(小型店)249
エストラ・スーペルメルカード(スーパー)199
エストラ・イーペル(大型スーパー)137
ポン(パォン)・ジ・アスーカル(スーパー)185

また、GPAの店舗数がやたらと多いのは、GPAがコンビニタイプの店舗を多く所有しているのに比べて、カルフールがハイパーマーケットと呼ばれる広大な販売面積のある店舗を所有していることが主な背景にあります。ちなみに、4位のCENCOSUDという会社は日本ではあまり馴染みが無いですが、チリ資本の会社です。

では、直近9年間のGPAの業績は…(次ページへつづく)

(文/唐木真吾、写真/Divulgação)

著者紹介

唐木真吾 Shingo Karaki

唐木真吾 Shingo Karaki
1982年長野県生まれ。東京在住。2005年に早稲田大学商学部を卒業後、監査法人に就職。2012年に食品会社に転職し、ブラジルに5年8カ月間駐在。2018年2月に日本へ帰国。ブログ「ブラジル余話(http://tabatashingo.com/top/)」では、日本人の少ないブラジル北東部のさらに内陸部(ペルナンブーコ州ペトロリーナ)から見たブラジルを紹介している。
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