館長が語る、日伯“二国間の絆”の館「ジャパンハウス」

2017年 01月 3日

ジャパンハウス サンパウロ

日本人の繊細さは長い年月のなかで磨かれてきたが、豊かな自然に対する畏敬の念も同様に育まれてきた。日本では、自然を尊敬し自然と調和的に生きることを学ぶが、このため様々な自然の脅威に対峙することも可能になる。伝統を尊ぶことで、過去から大事な教訓を得て将来に生かすことも学んできた。

さて、とはいえ、一つ疑問が生じる。

こうした価値をどんな環境空間で表現するのか? このスペクタクルの舞台になるのが、ジャパンハウスである。

この新機軸プロジェクトが設置される三都市は、ロンドン、ロサンゼルス、サンパウロ、である。2017年上半期にオープン予定のジャパンハウス・サンパウロでは、アート、教育、テクノロジー、食文化、ビジネスなどが、一つの豊潤なスペースで同時に調和的にエンジョイできることになろう。

ジャパンハウスは、日本の歴史的ルーツや伝統も加味したうえで、21世紀の日本を翻案・発信する場だが、ジャパンハウス・サンパウロの美学的特徴は、国際的に著名な建築家隈研吾氏のプロジェクトに日本的要素とブラジル的要素を編み込んだ点にある(次ページへつづく)。

(文/アンジェラ・タミコ・ヒラタ(原文ポルトガル語)、翻訳/ブラジル特報編集部、記事提供/ブラジル特報(日本ブラジル中央協会)、写真提供/ジャパンハウス・サンパウロ事務局)