社会起業家のコンペ「シーバス・ベンチャー」ブラジルから、車いす利用者の生活の自由度を高めるプランが出場

2017年 05月 10日

ブラジル 電動車いす

社会起業家たちのグローバル・コンペティション「CHIVAS VENTURE(シーバス・ベンチャー)」世界大会の第二ステージであるオンライン一般投票は6月22日(月)まで5週間行われる。

投票は各週1回行われるため、全5回の投票が可能となる。この投票により、「どのファイナリストの事業を応援したいか」がオンライン上で世界中の人々に問われる。

投票方法は「CHIVAS VENTURE」のWEBサイト(http://www.chivas.com/ja-jp/the-venture/finalists)にアクセス、応援したいファイナリストのプロフィールページ内にある「投票(VOTE)」をクリックする。投票には、Facebookのログインが必要となる。

投票率に応じて、総額100万ドルの助成金のうち各週5万ドル、5週の合計25万ドルの助成金がファイナリストに分配される。

その後、ファイナリスト30名は世界大会の第三ステージであるファイナルピッチに出場して、インフルエンサーやチェンジメーカーの前でビジネスのメリットをアピールするプレゼンテーションを行う。この最終プレゼンテーションを受けて、世界中の権威ある経営者による審査員団が、総額100万ドルの助成金の残り75万ドルの分配比率を決定する。ファイナルピッチは7月にロサンゼルスで開催が予定されている。

本年のコンペティションには、ブラジルからはジュリオ・オリヴェットさんがファイナリストに選ばれている。ジュリオさんが提案するのは、「自由なキット(キッチ・リーヴリ)」と名づけられた車いすで、「車いすを、自由かつ楽しく操作することができる未来」を提案している。

リーヴリ 車いす ブラジル

*****「自由なキット(キッチ・リーヴリ)」ジュリオ・オリヴェット(ブラジル代表)*****

私たちのプランはとてもシンプルな計画です。車いすを電動三輪車化する、というものです。

車いすの利用者は、ブラジルでは400万人以上、アメリカ合衆国やヨーロッパでは800万人以上います。そしてそのすべての人たちがアクセシビリティ(利用しやすさ、行動範囲など)で苦しんでおり、そのことに私たちの多くは気づいていません。

でこぼこの歩道や高低のある道や岩道、狭い道、まっすぐでない道などの変形地といったイレギュラーな環境はもちろんのことながら、路上の草や砂など些細なことがらに至るまで。車椅子にとっては、迂回して他のルートを探さなければならないほど、不便を引き起こす可能性があるのです。

「自由(リーヴリ)」は、車いすの抱える問題を解決するための解決策のひとつであり、車いすの利用者が、自由と尊厳を得ることができる新しい生き方の提案です。

私たちは、車いすの利用者が自由な感覚を持つことができるようにすることで、彼らの友人たちと同じようにさまざまな活動に参加することができて、自分自身でそれを楽しむチャンスを得ることができて、自尊心が抱ける、そんな世界を目指しています」

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日本からは、メイド・イン・ジャパンの工場直結ファッションブランド「Factelier(ファクトリエ)」を展開するライフスタイルアクセントの山田敏夫代表取締役CEO が出場する。

(次ページへつづく)

(文/麻生雅人、写真上提供/ペルノ・リカール・ジャパン、写真下/Divulgação)
写真上は30人のファイナリスト。最後列、一番右がジュリオ・オリヴェットさん