ラヴァ・ジャット作戦の先にある、ブラジル刷新のチャンス

2017年 05月 13日

テメル大統領 ブラジル

今年2017年には、社会保障改革改正労働法が成立する可能性がある。今回の危機の最もポジティブなレガシーとなろう。

第二は、可能性が若干低くなるが、本稿の冒頭で述べた政治の刷新の可能性だ。

全国で5000超に上る2016年の市長選挙で示されたメッセージは極めてはっきりしていた。三大都市の市長、すなわちサンパウロ市のジョアン・ドリア、リオ市のマルセロ・クリヴェーラ、ベロオリゾンチ市のアレシャンドリ・カリウ市長は、いずれも伝統的な政治に抗する演説を行っている。

このことは、ブラジルの有権者たちが主要政党にどのような解決策を求めているかを物語っている。

ブラジルで、過去このような現象が生じた最後の事例は、フェルナンド・コロル大統領が選出された1989 年の選挙であった。もっともコロル大統領の場合は、経験不足に加え支持政党が小党であったこともあり、1992年、罷免請求運動で辞任に追い込まれた。

歴史が完全に繰り返すとは言い難いが、ブラジル政治の気中には少なくとも刷新のにおいがはっきりと漂い始めたのは確かである。

(文/フェルナンド・ホロリゲス、記事提供/日本ブラジル中央協会、写真/Beto Barata/PR)
写真は2017年2月、テメル大統領

ラヴァジャット ブラジル特報

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