第12回ブラジルフェスティバル、代々木公園で開幕。カイピリーニャのカクテルコンテストも初開催

2017年 07月 15日

カシャッサ協会

30度を超える真夏日の中、今日7月15日、東京・代々木公園で毎夏恒例の夏のイベント、在日ブラジル商業会議所が主催する「第12回ブラジルフェスティバル」が開幕した。

ブラジル名物の肉料理シュハスコの煙と香ばしい香りが立ち込める中、異文化交流を目的よしたイベントらしく、日本人のサンバ演奏家によるサンバや、在日ブラジル人歌手が歌う日本語の本格演歌などが紹介されている。

今年は新しい試みとして、ブラジル産の蒸留酒カシャッサを使ったカクテルのコンテスト「第一回カシャッサカクテル・グランプリ」が開催され、エントリーした店が個性的なカクテルで競い合っている。

エントリーしている店でカクテル1杯につき投票券1枚が配布されるので、自分の気に入ったカクテルの投票券を、「フェスティバル本部」と「CCBJ フェスティバルオリジナルTシャツ販売ブース」にある投票箱に入れれば投票は完了。グランプリは16日(日)の17時45分に、本部前で発表される。

また、投票券の半券は抽選券となっており、ブラジルで最も人気があるカシャッサのひとつ「ベーリョ・バヘイロ」が抽選で当たる。カシャッサの抽選は15日(土)は18時半、16日(日)は17時半に「フェスティバル本部」前で行われる。

さて、カシャッサを使ったカクテルで、最もポピュラーなのがカイピリーニャだろう。いわゆるストレートなカイピリーニャは、カシャッサとライム、砂糖、氷だけで作られる、国民的カクテルだ。レシピがシンプルなだけに、ライムのつぶし方や量、シェイクの仕方など微妙な差で味も風格も大きく変わる。

バルバッコア

ブラフェスでは”行列のできる店”として人気を誇るシュハスカリーアの「バルバッコア」(テント番号A19、A20)は、ブラジルで最も広く親しまれている「51(シンクエンタ・イ・ウン)」というブランドのカシャッサを使った王道スタイルのカイピリーニャでエントリー。例年、700~800杯売れる人気アイテムとのこと。

ブラリオ ブラジルフェスティバル

「太陽の食堂ブラリオ」(テント番号A39)は、やはりブラジル国内はもとより輸出品としても国際的に高い人気を誇る国民的なカシャッサのブランド「ベーリョ・バヘイロ」を使い、同じくストレートなカイピリーニャを提供している。

「ブラジルでもいろいろな作り方がありますが、家庭やパーティでも一般的な、シェイクする作り方で出しています。僕自身がブラジルで飲んだおいしい思い出をそのまま伝えられるようなカイピリーニャを目指しています」(「太陽の食堂ブラリオ」武藤さん)

南米食堂 ブラジルフェスティバル

福生に店を構える「南米食堂」(テント番号A15、A16)も、ストレートなカイピリーニャを試行錯誤して編み出した独特の作り方でこだわりの1杯を出す。カイピリーニャとノンアルコール版のみというメニューもシンプルで潔い。

今回、会場をあるいていると、ベーリョ・バヘイロを使ってカイピリーニャを出している店が多いことからも、本場ブラジルで人気のブランドであることがうかがえる。

ベーリョ・バヘイロ

食品輸入会社の「イマイ」(テント番号A3、A4)は、ずばり、「ベーリョ・バヘイロ」を前面に打ち出したお店を出店。カイピリーニャを作るキットも貸し出しており、作る楽しみも教えてくれる参加型のアプローチで会場を盛り上げている。

カイピリーニャはレシピがシンプルだけに、ベースとなるカシャッサが異なれば味も香りも大きく変わる。

バー・ジュレップ

「バー・ジュレップ」(テント番号32、写真一番上も)が提供するのはシンプルでストレートなカイピリーニャながら、ベースとなるカシャッサに定番の「51(シンクエンタ・イ・ウン)」、「ヴェーリョ・バヘイロ」、そしてミナスジェライス州産の手作りプレミアム・カシャッサ(カシャッサ・アルテザナウ)の名門ブランド「セレッタ」の3種類を用意、ベースによって異なるカイピリーニャの楽しみ方を伝えてくれる。

さて、カイピリーニャは原則的に、ライムを潰し砂糖と共にカシャッサを混ぜたカクテルだが、本国ブラジルでも、ライムの代わりに他のフルーツやジュースを使った、変わり種のカイピリーニャが親しまれている。キーウィのカイピリーニャやいちごのカイピリーニャはすっかり市民権を得ているほどだ。

今回、「第一回カシャッサカクテル・グランプリ」の開催のため、オリジナルのカイピリーニャを開発している店もある。

シークヮサーのカイピリーニャ

「なちゅらフーズ」(テント番号A9、A10、A11、A12)では、夏日にぴったりな沖縄バージョンのカイピリーニャとして「パイン風味のカイピリーニャ」と「シークヮサー風味のカイピリーニャ」を提供。どちらも限定数の販売となる。

ベルマート スイカのカイピリーニャ

フェスならではの変わり種カイピリーニャでは、「ベルマート」(テント番号A27)の、スイカがゴロゴロ入った「スイカのカイピリーニャ(カイピリーニャ・ジ・メランシーア)」も人気を呼んでいる。

カイピリーニャジメランシーア

ブラジル出身の男性は「ブラジルでもスイカはよく食べられるけど、カイピリーニャにして飲んだことはない。ここ日本で初体験したけど、これはイケるね。カイピリーニャはブラジルではありふれたいつでも飲める飲み物だけど、日本で新しい楽しみ方に出会えるなんて面白いね」と語った。

2015年に開店した新店ながら、肉の美味しさでシュハスコ・ファンのみならず、赤身肉ファンの胃袋をがっちりつかむシュハスカリーア「ブラジリカ・グリル」は、使う材料はトラディショナルながら、ライムをシャーベットにして浮かべた「カイピリーニャ・フロート」を提供。暑いフェスにはうれしい一杯だ。こちらも限定数の販売。

カイピリーニャ・フロート

カシャッサを使ったカクテルで、本国ブラジルでカイピリーニャに次いでポピュラーなのが、同じようにフルーツを使ったカクテル、バチーダだろう。そしてバチーダの中でも広く親しまれているのがココナッツミルクをつかった「バチーダ・ジ・ココ」だ。

ボンペックス

輸入食材会社「ボンペックス」(テント番号A7、A8)は、安定の美味しさを誇る定番の二つのカクテル、「カイピリーニャ」と「バチーダ・ジ・ココ」を提供している。

イーリャブランカ

ブラジル関連の各種フェス、イベントでも人気のレストラン「イーリャ・ブランカ」(テント番号A15、A16)も、「カイピリーニャ」に加え、「バチーダ・ジ・ココ」、「バチーダ・ジ・マラクジャ(パッションフルーツ)」、「バチーダ・ジ・アサイー」を提供。そのほか、カシャッサとブルーキュラソーを混ぜたカクテルなども提案している。

フルッタフルッタ

そもそもカシャッサは、さまざまな果物などの素材とミックスしてカクテルを作りやすいお酒だが、アサイーをはじめとするアマゾンフルーツを日本に届ける「フルッタフルッタ」は、貴重なアマゾンフルーツを使ったカクテルを今回のフェスのために開発した。

その味と香りにノックアウトされる中毒ファン続出のフルーツ、クプアスをたっぷり使い、カイピリーニャをソーダで割って、さらにマンゴーを贅沢に乗せた「カイピソーダ ごろっとマンゴースパークリング with クプアス」と、やはりアマゾンフルーツでブラフェスでは初紹介となるグラヴィオーラを使った「カイピソーダ ごろっとラズベリースパークリング wirh グラヴィオーラ」を提供している。

そんなふうにカイピリーニャやバチーダ、オリジナルカクテルで盛り上がる「第一回カシャッサカクテル・グランプリ」だが、このブラジルフェスティバルでは、グランプリにエントリーしていない店でも、個性的なカシャッサのカクテルや、こだわりたっぷりのカイピリーニャを販売している。

「第12回ブラジルフェスティバル」は16日(日)も11時から19時まで、東京・代々木公園で開催される。

(写真・文/麻生雅人、写真(イマイ)/カルロス藤田)