ユネスコ創造都市ネットワーク(UCCN)の食文化創造都市会議、世界が注目するベレンで開催

2017年 11月 10日

ジャンブー酒

ユネスコ創造都市ネットワーク(UCCN)の食文化(ガストロノミー)創造都市会議は、さまざまな地域における農牧畜業、飲食業など食文化にかかわるビジネスの持続可能な発展を目指して、各認定都市で開催される。

今回の会議は、2年前の2015年に認定されたベレン市。アメリカ大陸での初の開催地となった。

先住民族の文化も色濃く反映されたベレンの食文化はブラジル国内でも独特の個性を持つ地域とあって、同市の食文化のショーケースともいえるヴェロペーゾ市場見学の参加者たちは、はじめて体験する味の数々に驚いたという。

市場見学一行のホストを務めたのは、ベレン名物で日本でもおなじみとなったアサイー専門店「ポイント・ド・アサイー」のオーナー、ナザレーノ・アウヴィス氏が務めた。

「ユネスコ創造都市ネットワーク(UCCN)の食文化(ガストロノミー)創造都市会議に参加しているみなさんをヴェロペーゾ市場にお連れできることを誇りに思います。私たちが持っているささやかな知識をみなさんにご紹介しながら当地ならではの異国情緒あふれる食べものをお見せしました。特にジャンブーはみなさんに驚かれました」(ナザレーノ・アウヴィス氏)

辛味野菜の一種ジャンブーの葉は麻酔作用を持つ成分を含むため、舌や口の中が軽く痺れるのが特徴。パット・ノ・トゥクピー、タカカーといったベレンの郷土料理に使われる、地元では日常的に食されている食材だ。

アサイー 絞る ベレン

マカオ市(中国)代表のひとりとして会議に参加したアルベルチーノ・カンポスさんは、非常に興味深い見学になったと語った。

「アサイーの果実の絞り方やトゥクピーの作り方は、まったく知らない世界だったので、大変興味深かったです」(アルベルチーノ・カンポスさん)

専用の搾汁機を通して、アサイーの果実が硬い種以外の部分が押しつぶされることでどろどろの果汁が採取される過程を、多くの参加者が興味深く見入っていたという。

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(文/麻生雅人、写真/Oswaldo Forte Agencia Belém)
写真上はブラジルの蒸留酒カシャッサにジャンブーを漬けたベレンならではの地酒。
写真下はアサイーの搾汁を行う屋台。ベレンではアサイーはスイーツやジュースに使うよりも、食事として、絞った汁を器に入れて魚のフライなどと共に食す食べ方が伝統的