ブラジル対日本、格の違いを見せつけたチチ監督率いるブラジル代表

2017年 11月 12日

ネイマール 日本代表戦

後半、日本も見せ場をつくれるようになった。

後半18分、CKから槙野(浦和レッズ)がヘッドで決め1点を返した。日本がブラジルから得点を奪ったのは久しぶりだ。

その後、惜しいシーンもいくつかあったが結局両者共ゴールを奪えず、3-1でブラジルが勝った。

まずブラジルの強さだが、一人ひとりが真剣に走っていた。また、守備の意識は相当に強かったのではないだろうか。

特に、ガブリエウ・ジェズスのチェイシングには目を見張るものがあった。すごくスピードもあり、最前線から前後左右の相手をかなり追い求めていた。これは相手選手には相当な脅威だろう。

そして、ネイマールと酒井宏樹(マルセイユ)のマッチアップは相当な見ごたえを感じた。この2人のマッチアップは何度目になるのだろうか?

現在、同じフランス リーグアンで対戦もしているが、最初は2011年のクラブW杯でのことではないだろうか? 当時ネイマールはサントス、酒井宏樹は柏レイソルと所属先は違うが、同じポジションで相当に対峙していたのを思い出す。お互いにゴールを決めているので、当時のことはお互いにとって印象深い思い出となっているだろう。ネイマールもそうだが、酒井宏樹も相当に成長していると思う。

そして、もうひとり、筆者が注目していたダニーロについて。

ボールにも相当に触っており、右SBとして十分な活躍をしてくれていたと思う。ガブリエウ・ジェズスの3点目のアシストも決めており、本人としてもなかなかの達成感を得ることはできたのではないだろうか。

後半途中から、左SBがマルセロからアレックス・サンドロ(ユベントス)に代わり、ダニーロとアレックス・サンドロが同じピッチに立つ場面も。ダニーロとアレックス・サンドロは、サントス、そしてポルトで両SBとしてチームメートとしてともに戦ってきた仲間だ。

後半終了間際には、ダニーロの右からの決定的なクロスをアレックス・サンドロがヘッドでゴールを狙ったが、惜しくも枠の外に外れたのは本当に惜しかった。

このふたりにはそれぞれに、マルセロ、ダニエウ・アウヴェスという越えなければならない絶対的な存在がある。ふたりとも相当の逸材だと思っているので、是非とも頑張ってほしい。

日本については、後半ゴールを決めいくつかの見せ場はつくっていたが、相当に物足りなさを感じた。

今回の先発メンバー、本田、香川、岡崎は外れているが悪くないと思ったが、ほとんどアピールできた選手はいないのではないだろうか。

個人的には、本田、香川、岡崎も含めて、ベストメンバーを探ってもよいと思った。日本代表については、次のベルギー戦をどう戦うかに注目していきたいと思う。

(文/コウトク、写真/Lucas Figueiredo/CBF)

著者紹介

コウトク

2005年6月~2012年6月まで仕事の関係で、ブラジルに在住。ブラジル在住当時は、サッカー観戦に興じる。サントス戦については、生観戦、TV観戦問わずほぼ全試合を見ていた。
2007年5月のサンパウロ選手権と2010年8月のブラジル杯のサントス優勝の瞬間をスタジアムで体感。また、2011年6月のリベルタドーレス杯制覇時は、スタジアム近くのBarで、大勢のサンチスタと共にTV観戦し、優勝の喜びを味わった。

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