「文化や国籍の壁を超えて、多様な働き方や価値観に触れることができる場所」を美濃加茂市に作るクラウドファンディングプロジェクトが始動

2018年 03月 23日

美濃加茂市 ブラジル

このプロジェクトでリノベーションが計画されているのは、今はシャッター商店街となっている、美濃太田駅から中山道太田宿へ向かう駅前商店街にある3階建てのビル「たつみビル」だ。かつてはコロッケ屋さんやうなぎ屋さんが入っていて地元の人たちに親しまれていたという。

空きビルとなっていたのをIDENTITYが本社として借り受けたところから、プロジェクトへつながる物語がはじまった。ビルを拠点に活動するうちにIDENTITYの面々は、多文化共生に取り組む地元の人たちとの交流を通して美濃加茂が直面している諸問題を目の当たりにするようになったという。

やがて、IDENTITYの共同代表で美濃加茂市出身のモリジュンヤ氏の「生まれ故郷の抱える課題を放っては置けない。何か力になれることはないだろうか」という想いから、国籍も地域も超えたコミュニティビルで美濃加茂を再び多様性のある街に生まれ変わらせたいという構想が生まれた。

現在ビルは、想いを同じくする人々と共にビルのリノベーションが進められているという。2017年5月にはビル掃除イベントが実施され、イベントには美濃加茂に住む日系ブラジル人や、市内にある定時制高校の卒業生も参加したとのこと。

同年11月にはリノベーションプランを発表。行政や市民団体をはじめ、多くの市民が関わりました。その後も、ビルの活用方法やリノベーション後の施設で行いたい夢について市民から広く意見を聞く機会を設け、市民と一体となってプロジェクトを進められている。

リノベーション後、ビルの1階は、何かに挑戦したいけれど場所がない人たちに対して、格安でスペースを貸し出す「チャレンジスペース」として活用が予定されている。

「人口の多い東京や名古屋、地域おこし協力隊がたくさんいる加茂圏域といった他の地域で暮らす人々がもつ多様な価値観・文化に触れて、美濃加茂で暮らす外国人や定時制高校の子供たちに『こんな選択肢もあるんだよ』というきっかけを与えたい」

「チャレンジショップで1日貸しの飲食店や、語学学校などを開いてもらい柔軟な就労の機会を提供したい」

「そうした活動を通じ、外部の人にも美濃加茂の魅力を感じて、ツーリズムや岐阜観光の中継地点として、または移住先として知ってもらうきっかけになりたい」

さまざまな想いが込められた多文化共生の拠点づくりのクラウドファンディングプロジェクトは、2018年3月22日から2018年5月31日まで実施される。

目標金額は800万円。資金使途は、美濃加茂市「美濃太田駅」前にコミュニティビル「MINGLE」を立ち上げるため、3F立ての空きビルの改装を行うというもの。ビルの改装費をはじめ、MINGLEを運用していくための資金に充当される。

詳細はプロジェクトページ(https://camp-fire.jp/projects/view/62937)を参照。

(文/麻生雅人、画像提供/IDENTITY)