2018年 08月 4日 08:39
ブラジルの国民酒ともいえる、サトウキビからつくられる蒸留酒カシャッサ。中でも中小規模の酒造が丹精を込めてつくるクラフトカシャッサ(カシャッサ・アルテザナウ)の人気は日に日に高まり、酒造によるさまざまなサービスや取り組みも生まれている。
リオグランジドスウ州の名門酒造ウェバーハウスはカシャッサ愛好家に向けて、個人向けに“自分だけの”樽を販売するサービス、ウェーバーハウス・クラブをスタートさせた。
顧客が、200リットルのアメリカン・カルヴァーリョ(オーク)の樽を購入すると、ウェーバーハウスのさまざまなプレミアム製品のもととなる蒸留仕立てのカシャッサが樽に入れられる。
樽は封蝋されて誰の樽かがわかるように印が押され、ウェーバーハウスの貯蔵庫で保管され。熟成期間はプレミアム(2年)、エクストラ・プレミアム(5年)のいずれかから選ぶことができる。
カシャッサは樽の中でアロマと味が熟成されていく。契約年数を経た樽を開けることができるのは樽の所有者だのみだ。顧客は瓶やラベルも自由に選べるので、自分だけのクラフトカシャッサ製品を手にすることができる。
あるいは樽ごと自宅に持ち帰ることもできるので、自由にブレンドして楽しむことも可能となる。あるいは初めから購入した樽を持ち帰り、熟成自体を自分で楽しむこともできる。
「愛好家のみなさんに、私たちの蒸留所で熟成させたカシャッサ作りのハートを感じてほしい」とウェーバーハウスの代表エヴァンドロ・ウェーバーは語る。
プレミアムカシャッサの酒造が個人向けに樽の販売をするのは初の試みだという。
(文/麻生雅人(カシャッサ・カウンシル・ジャパン主任研究員)、写真/divulgação)
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