JOGMECがヴァーリ社と共同研究に関する合意書に署名
2018年 12月 29日独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は今月(12月)20日、ブラジルのミナスジェライス州ベロオリゾンチ市郊外サンタ・ルジーアにあるVALE(ヴァーリ)社の鉱物開発センター(Centro de Desenvolvimento Mineral:CDM)で、同社との共同研究に関する合意書に署名しました。
この合意はJOGMECがヴァーリ社が、岩盤応力測定技術に関する共同研究を行うことに対して交わされたものです。
共同研究は、日本の深田地質研究所と東北大学が開発した「コア変形(DCDA)法」と呼ばれる岩盤応力測定技術を用いて、鉱山操業現場周辺の岩盤に加わる応力の情報を、定常的に取得する手段の構築を目的としているとのことです。
合意書(Collaborative Research Agreement:CRA)には、JOGMECの廣川満哉理事、VALE社のエヂソン・ヒベイロ探査・鉱物プロジェクト部門長、VALE社技術研究所(Instituto Tecnológico Vale:ITV)の責任者などが署名をしました。
JOGMECによりますと、今回の合意は、2014年に両者が結んだ資源分野における包括協定覚書(MOU)に基づいて、鉱山操業の改善・効率化に貢献することができる日本の先進技術を紹介する活動が実を結んだものとのことです。
この活動で紹介された技術のうち、深田地質研究所と東北大学が開発したユニークな岩盤応力測定技術である「コア変形(DCDA)法」に対し、VALE社の研究機関であるITVが強い関心を示したことから、これをテーマにした共同研究の協議を重ねた結果、今回の共同研究合意書の署名に至ったとのことです。
JOGMECは本共同研究合意書の締結を受けて、ミナスジェライス州のVALE社鉄鉱石鉱山などにおいて、DCDA法を鉱山操業現場で利用する方法に関する共同研究を開始します。
(文/麻生雅人、写真・図版提供/JOGMEC)