アマゾン地域の森林火災、約33%は私有地で発生
2019年 09月 6日
アマゾン環境調査研究所(IPAM)が9月4日(水)、今年(2019年)に起きているアマゾン地域で起きている森林火災は私有地に集中していると発表した。現地メディア「フォーリャ・ヂ・サンパウロ」、「G1」、「エザミ」などが伝えている。
アマゾン地域にある私有地は同地域の18%にすぎないにもかかわらず、ブラジル国立宇宙研究所(INPE)が1月1日から8月29日の間に記録したアマゾン地域の火災のうち約33%が、私有地で起こっているという。
環境保護区(APA)と住民族保護区での火災はそれぞれ約6%、保全ユニットでの火災は約7%だった。ただし7%とはいえ、保全ユニットでの火災は過去8年間で2倍に増加しており、とりわけ、パラー州にあるジャマンシン国有林区での火災が目立ったという。
アマゾン地域に限らず国全体においても、8月までに2010年以来、最多の森林火災が記録されており、その半分以上がアマゾン地域の火災とのこと。
8月にアマゾン地域で起こった火災は30,901件で、過去9年間で最大件数だった。
私有地では州政府の認可機関、通常は州環境局に承認された場合、伐採や野焼きが可能となり、私有地の20%は伐採が許可されている。しかしアマゾン環境調査研究所(IPAM)は「歴史的に記録された森林破壊の大部分は、違法な野焼きに原因がある」と警告しているという。
同研究所によると、2017年と2018年にマットグロッソ州で記録された森林伐採の85%が、法律に準じたものではないものと目されているという。
また、アマゾン環境調査研究所(IPAM)は8月22日(木)に、アマゾン地域の森林破壊と、ブラジル国立宇宙研究所(INPE)によって検出されたホットスポットの増加との関係を指摘した、別個のテクニカルノートを公開している。
この資料によると、2019年に火災が最も多かった10の自治体は、森林破壊の割合が最も高かった10の自治体でもあったという。これらの地域は、7月までに検出されたホットスポットの37%と、森林破壊の43%を占めていたという。科学者も、この森林火災の多さは乾燥だけでは説明がつかないと指摘している。
(文/麻生雅人)