UFC ファイトナイト深セン~アンドラージ王座陥落、魅津希UFC初勝利
2019年 09月 7日
現地時間の2019年8月31日(土)に、中華人民共和国深セン市のユニバーシアード・スポーツ・センターにて格闘技イベント「UFCファイトナイト深セン」が開催された。
すべてを見渡せないほどの広大な敷地の中にアリーナはあった。アリーナの周りにはたくさんの人で溢れ返っていた。キャパシティは18,000人近くと公表されているが、チケット売り場によると全てのチケットは売り切れたという。
中国初のUFC タイトルマッチが始まる頃には、満員の観客のテンションもすっかり上がっていた。エアコンが効きすぎている少し寒い会場とは対照的に、各々がさまざまな熱い思いを体から発しているのか、熱気がすごい。ゴーー、オオーー、ワーーといろんな音の混じった音が大音量であちこちから聞こえてくる。
メインのUFC 世界女子ストロー級チャンピオン、ブラジル人のジェシカ・アンドラージ選手と地元中国のジャン・ウェイリー選手の試合は1R、わずか42秒でウェリーが勝利をおさめた。
試合の序盤に、ウェイリーの左フックがアンドラージにヒットしたところで、アンドラージはふらっとしてしまった。
そこへウェイリーはヒジとヒザを容赦なく放ち続け、アンドラージがダウン。ウェイリーが追いかけてパウンドを打ち、レフリーが試合を止めた。
圧倒的なフィジカルの強さを誇るアンドラージとのぶつかり合いに、ウェイリーが勝った。中国初のUFC チャンピオンが誕生した。
この瞬間を深センの大観衆は祝福した。
ウェイリーの勝利者インタビューの間もオクタゴンに残っていたアンドラージは、ウェイリーのあとにマイクで感謝の気持ちを伝えた。深センの大観衆はアンドラージをあたたかい拍手で包んだ。
試合後アンドラージ選手は、UFC公式インスタグラムのブラジル版に「わたしの家族、応援してくれているすべてのブラジル人へ ありがとう。みんなのエネルギーはイベントで感じていました。もっと強くなって帰ってくるので、また応援をお願いします」と非常に晴れやかな表情で話していた。
この日もう一つの注目の試合は、日本の魅津希選手のUFC デビュー戦だった。対戦相手は地元中国のウー・ヤナン選手だった、

魅津希選手は日本のDEEP JEWELSのチャンピオンになったこともあるほど、実力を持ったファイターだ。
アメリカ合衆国 ニューヨークをベースにしておりInvicta FCに参戦していた。
緊急オファーのため、今回の試合は本来の階級より上のフライ級での試合、しかも対戦相手が3ポンドの計量オーバー、アウェーでの試合。不利な条件が重なったが見事にスプリット判定勝ちをおさめた。
打撃の勝負も、魅津希はヤナンの攻撃をスピードとテクニックでかわし、タックルも切り、3Rラストでは打ち合いも見せ、勝利をもぎ取った。
不利な条件ばかりの中、最後の最後まで集中力を切らさず、諦めずに戦う姿は素晴らしかった。
魅津希選手の試合後のインタビューは以下のとおり。
――通常ストロー級で、オファーがフライ級で本来ならば、もう少し準備期間をおいたほうがよかったように思われますが、試合に勝てたことをどのように考えていますか?
「率直な感想はすごく嬉しいです。試合が終わったあとは負けたかもしれないという思いもあったので、負けたら悔いの残る試合をして、(その状況で)勝てて本当にこの一勝は大きかったと思います」
――今回の試合がいいかんじに見えたのですが、このままフライ級でやるのか、それともストロー級に戻すのか、どのように考えていますか?
「そこは自分でも答えが出ていませんが、ストロー級は目標にしてきた階級なのでストロー級でやっていきたいですが、フライ級も挑戦でき、どちらもできればよい選手に近づけると思います。今後チームと相談をします」
――今回の試合でなにか証明できたものはありますか?
「いまUFC には日本人の女子がいないので、日本人でも勝ち残っていけるんだぞ、ということを証明したいです」
――相手選手は魅津希選手より身長が(10cm)高いですが、そのような相手に対してなぜ今回オファーを受けましたか?
「18歳のころからUFC のオファーをいただいていたのですが、ケガがあったりしていました。今回フライ級でしたがオファーをいただいて、タイミングが今しかないと、、今年25歳になるので他のタイミングでいっても、いつオファーをいただけるかわからなかったので受けました」
――本日の試合の模様は、UFC の公式サイト日本語版でライブ配信されていましたが、日本のファンのみなさんへメッセージをお願いします
「会場でコメントしたかったのですが、初めてで言いたいことも言えませんでした。それは別の形で、日本のみなさんにお伝えできればいいなと思っています。15歳でプロデビューした時から応援してくれた方々もいるので、そのような方々にやっとわたしの試合をUFC の舞台で見せることができて、ファンのみなさんにとっても、自分にとってもよかったです」
(文/Viviane Yoshimi)