【コラム】サンフランシスコ河中流域における灌漑農業の発展
2019年 12月 17日4: 南米最大の人造湖ソブラジーニョ
ペトロリーナから西へ40km の場所に、サンフランシスコ河を堰き止めて造 られた「南米最大の人造湖」と言われるソブラジーニョ人造湖がある。
人造湖建設の目的は、①水力発電所の運営による東北伯地域での電力供給の拠点にすること、②人造湖下流の水流を制御し灌漑農業プロジェクトを推進することであった。
1973 年に建設が開始され、水力発電所として操業開始したのは 1979 年のことだ。旧ソ連製の発電機6基があり 1,050MWの総発電能力を有している。人造湖の最大面積は 4,214 km² で、 東京都(2,188 km²)の約2倍の面積を有している。東京 23 区(620 km²) と比べるなら約7倍の面積だ。
ブラジルの象徴的な千年王国運動のひとつ「カ ヌードス戦争」の指導者アントニオ・コンセリェイロは「セルトンは海になり、 海はセルトンになる」という予言を残したと言うが、彼の死のおよそ80年後に完成したソブラジーニョ人造湖はまさに“セルトンにできた海”のように巨大な人造湖となった。
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