リオのキリスト像、カシャッサを発売

2021年 10月 7日

エンジェーニョ・サン・ミゲウが製造する「カシャッサ・ヘデントール」(写真/Divulgação)

ブラジルのリオデジャネイロ大司教区でキリスト像を管理するオマール・ハポーゾ神父は10月6日(水)、「カシャッサ・ヘデントール(救世主)」を発売するとアナウンスした。現地メディア「オ・グローボ」、「メトロポリス」が伝えている。

カシャッサとは、サトウキビから作られる蒸留酒で、ブラジルの国民酒。1931年に建造されたキリスト像の90周年行事と、大司教区の収益確保と、貧困家庭の救済を目的に発売されることになったという。

今回のカシャッサの発売は、もしかしたら今年(2021年)5月26日にローマ教皇が語ったジョークを受けての事業かもしれないと「オ・グローボ」のコラムニスト、アナ・クララ・ギマランイスさんは指摘している。

同じく現地メディア「G1」や「エスタダォン」によると、今年5月、ペルナンブッコ州カンピーナス・グランジのジョアン・パウロ神父がバチカンでローマ教皇フランシスコに謁見した際に「聖なる教皇さま、私たちブラジル人のためにお祈りください」と願い出たところ、ローマ教皇は「君たちは救いようがないよ。カシャッサばかり飲んで祈りはそっちのけだからね」と冗談を語ったと、報じられていた。

結果的に、冗談のネタにされた国民酒カシャッサで、ブラジル流の慈善活動が行われることとなった。

大司教区の依頼を受けて「カシャッサ・ヘデントール(救世主)」を製造するのはリオ北部キサマン地方の蒸留所、エンジェーニョ・サンミゲウ。同蒸留所は、リオでも指折りの銘酒「セッチ・エンジェーニョス」を製造していることでしられている。

また神父は、ミネラル・ウォーターの発売と、ジュエリーブランドのアガスターンとのパートナーシップも発表した。

アガスターンはキリスト像をイメージしたペンダントのコレクションを発売して、アガスターンが大司教区に支払うロイヤリティーは、キリスト像が実施する社会的イベントの経費にあてられるという。

加えて、神父は、ライセンスの許諾なしに発売されている製品とコンタクトを取り、公式の製品として認可を申請してもらうよう声をかけていきたいとも語った。

キリスト像の90周年祝賀式典は10月12日(火)に開催が予定されているとのこと。

(文/カシャッサ麻生)