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日本にも本格上陸の「ハードセルツァー」、その定義とは!?

世界に先駆けブラジルをはじめ中南米で2020年10月に先行発売されたコカ・コーラ社のハードセルツァー「トポ・チコ」。2021年9月20日に日本での販売がはじまった(写真提供/日本コカ・コーラ株式会社)

今年(2021年)8月に発表された、ラテンアメリカ最大手といわれるビール製造会社アンベブによる、ビール以外のアルコール飲料部門の設立を後押しした要因の一つが、ハードセルツァーの台頭だ。

2020年10月には、コカ・コーラ社も初のハードセルツァー製品「トポチコ(Topo Chico)」を発売。その最初の発売地域に選ばれたのがブラジルをはじめとする中南米エリアだった。「トポ・チコ」は現在では合衆国を含め世界20か国で発売され、今年9月20日(月)に日本にも上陸した(関西エリアを中心に発売)。

缶入りなどで流通するレディ・トゥ・ドリンク(RTD)のハードセルツァーは、サトウキビや大麦のモルトなどを由来とするアルコール、炭酸水、フルーツのフレイヴァ―から作られる、アルコール度数とカロリーが低い新しいカテゴリーの飲料。アルコールを指す“hard”と炭酸水を指す“seltzer”が名称の由来となっている。

RTD炭酸アルコール飲料といえば、日本の缶チューハイ、缶入りキューバリヴレなど、世界各国にさまざまな飲料があるが、ハードセルツァーとの区別は可能なのだろうか。

ハードセルツァーの歴史

飲料に関するフレイヴァ―の専門企業Flavormanは、「おそらく最初のハードセルツァーはZIMA」と述べている。

1993年に発売されたZIMAは、透明で、レモンライム風味のモルトのリキュール炭酸飲料とのこと。若い女性を中心に支持され、柑橘、その他のフルーツのフレイヴァ―も展開され15年近く販売されていたという。

しかし、2013年11月にアメリカ合衆国コネチカット州ウェストポートでNick Shields醸造所が発売した「Spiked Seltzer」をハードセルツァーの起源とする意見が多数派のようだ。「Spiked Seltzer」は現在は「Bon&Viv」というブランド名で発売されている。

ハードセルツァーが市場で大きな存在感を示し始めたのは2019年頃。ニールセンによると、アメリカ合衆国の2018年のハードセルツァーの売り上げは2憶1000万ドルだったが、2019年に12億ドルに急増して脚光を浴びた。

アルコール飲料に関するグローバル調査企業IWSRによると2021年7月までの1年間に米国では約300の新しいハードセルツァーブランドが発売されており、前の年と比べると60%以上の増加だという。

ハードセルツァーの定義

実際のところ、ハードセルツァーの製造にはさまざまな方法があり、定義は幅広い様子だ。

飲料業界向けのコンサルタントなどを行うBevSourceは「多くのセルツァーは発酵させたサトウキビをベースにして、そこにフレイヴァーを加味していますが、大麦のモルト、蒸留酒、ワインからも作られます」としている。

モルトベースでは、コンステレーション・ブランズの「コロナ・ハードセルツァー」や、アンハイザー・ブッシュ・インベブの「バド・ライト・セルツァー」などのブランドがある。

スピリッツをベースにしたものでは、E&Jガロの「ハイ・ヌーン・サン・シップス」(ベースはウォッカ)、ホセ・クエルボ(メキシコ)の「プラヤマ―」(ベースはテキーラ)などがあり、ベースの蒸留酒にはさまざまな種類が使われている。

アルコール飲料に関するグローバル調査企業IWSRもハードセルツァーレポートの中で、モルトベースの製品だけでなく、ワインやスピリッツから製造された製品も含むカテゴリーとしている。

サトウキビ由来の蒸留酒アグアルデンチ(国民酒カシャッサを含む)大国、かつビール大国のブラジルは、ハードセルツァーが浸透する条件をあらかじめ備えているといえそうだ。

(文/カシャッサ麻生)

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