ブラジル国内のカシャッサ品評会「第五回ランキング・クープラ・ダ・カシャッサ」で、女性生産者が躍進

2022年 03月 20日
蒸留所、ファゼンダ・ダ・キンタにて、自身が受け継ぐ前に造られていたカシャーサ・ダ・キンタを手にするカチアさん(撮影/カシャッサ麻生)

「カシャーサ・ダ・キンタ」は2013年にはブリュッセル国際スピリッツコンクールに出品して、非熟成部門でブラジルの蒸留酒で初となるグランドゴールドメダルに輝いた。過去4回の「ランキング・クープラ・ダ・カシャッサ」でも高い評価を受けているほか、国内外のさまざまなコンクールで数々のメダルを受賞している。

今回、ホワイト部門で2位に輝いた「ピンドラ―マ プラッタ」(81.86ポイント)は、亡き夫の遺志を継いで蒸留所を運営するルイーザ・アウメイダ・ブラーガさんが製造するカシャッサ。2021年に国内発売されたばかりのニューフェイスだ。

おどろくべきことにルイーザさんは、蒸留所を継ぐまで、自身はカシャッサを飲んだこともなかったという。

ルイーザさんが蒸留所を引き継ぐことになったとき、相談したのがカシャーサ・ダ・キンタの生産者であり、リオデジャネイロ州カシャッサ生産者協会の代表を務めるカチア・エスピリット・サントさんだった。

「当時、私が知っている人でカシャッサのスペシャリストはカチアさんだけでした。彼女は、私の農場を訪ねて施設を検分して、製造工程を伝授してくれました」(ルイーザ・アウメイダ・ブラーガさん)

ルイーザさんが造る「ピンドラ―マ プラッタ」の原料となるサトウキビは、彼女が運営する農場ファゼンダ・ダス・パウマスで、アグロフォレストリー農法によって栽培され、オーガニック認証も取得しているという。

「ワインにおけるテロワール(サトウキビを取り巻くあらゆる環境)のように考えています」(ルイーザ・アウメイダ・ブラーガさん)

ホワイト部門の3位に輝いた「チエ プラッタ」を生産するクリス・アミンさんがカシャッサ生産を始めたきっかけは、夫と共に退職金でミナスジェライス州のマンチケイラ山地に農場を購入したことだった。

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