ブラジル国内のカシャッサ品評会「第五回ランキング・クープラ・ダ・カシャッサ」で、女性生産者が躍進

2022年 03月 20日

第五回クープラ・ダ・カシャッサ ホワイト部門3位に輝いた「チエ」(撮影/カシャッサ麻生)

蒸留酒造りの経験もなかったクリスさんは、ゼロからのスタートで蒸留所をつくり、「チエ」を市場に出すまでに10年かかったという。

発売されるや高評価を得た「チエ」は、現在では国内外のコンクールで20以上の賞に輝いている。「カシャーサ・ダ・キンタ」と並び、ブラジルを代表するクラフトカシャッサのひとつとなっている。

ホワイト部門の4位に輝いた「ベン・ミ・ケール プラッタ」は、創始者マヌー・ホマーロさん以下、蒸留所のスタッフ全員が女性だ。マヌーさんは農業経験のない女性を募集して、職業訓練を行いながらカシャッサ生産をはじめたという。

現在、蒸留所はアンジェラ・イジドーロさん、彼女の娘マリアーナさん、蒸留マイスターのパトリシア・コンラードさんによって切り盛りされている。

マヌー・ホマーロさんがカシャッサ造りに投資をはじめたのは12年前だが、バレエダンサーでもある母親のホザーナ・ホマーロさんもまた、女性カシャッサ愛好家として知られる人物だ。

ホザーナさんは2017年、品質の高いカシャッサを愛好する女性のグループ、女性カシャッサ結社ConVidaを創設。2021年にはメンバーは500人を超え、加入申請待ちの人も
多く控えているという。

ホザーナさんは、「40年前には、夫と一緒にレストランに行ったとき、夫がビール、私がカシャッサを注文しても、給仕さんはいつも、夫の前にカシャッサを、私の前にビールを置いていました(笑)」と、女性がカシャッサを好むことが珍しいとされていた時代を回想して語る。

この4ブランドの関わる顔ぶれだけでなく、カシャッサの世界での女性の活躍は近年、目立っている。

最終選考の最終日に行われたクープラ・ダ・カシャッサ年次総会では、同団体のメンバーに新たに加えるべき人員についての話し合いが行われ、候補に挙がったカシャッサの専門家の中から3名が新メンバーとして承認された。

その3名うちのひとりが女性メンバーで、サンパウロの人気レストラン&バー「ジェキタイア」の共同経営者でバーテンダーを務めるニーナ・コヘア・バストスさんだ。

「私は常に、クープラ・ダ・カシャッサのメンバーに女性が少ないことに批判的でした。今回の招待を受けとったとき、ブラジルの蒸留酒市場の中で男女平等のために戦う使命を感じました」(ニーナ・コヘア・バストスさん)

(文/カシャッサ麻生)