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“元リオ領事夫人のプヂン”、“ココアスポンジ乗せプヂン”、“パン屋のプヂン”…。2023年注目の「ブラジルプリン(プヂン)」とは!?

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2022年9月、来日したパウロ・マシャード・シェフは服部栄養専門学校での特別講義でもプヂンを紹介した(画像提供/麻生雅人)

フレンチレストランのシェフから研究家まで。溢れるプヂン愛

神奈川県湯河原にあるフレンチレストラン「エルルカン・ビス(HERLEQUIN BIS)」では、コースメニューにある“本日のデザート”の中に「エルルカンのブラジルプリン」がある。

なぜフレンチレストランでありながらブラジルプリンがメニューにあるのだろう。伊東淳一シェフにたずねたところ、実はシェフの親戚にブラジル人がいるため、ブラジルプリンに出合ったとのこと。研究を重ねて、伊東シェフならではのレシピを完成させた。

「エルルカンのブラジルプリン」は、こだわりの卵と、コンデンスミルク、ココナッツミルク、生クリームが使われているという。

さらに伊東シェフはブラジルプリンのプロデュースも行っている。卵の販売会社「花兄園」が販売している「花兄園プリン」がそれだ。伊東シェフが使っているのが同社の卵だったことが縁で「エルルカンのブラジルプリン」のレシピをもとに伊東シェフがプロデュースしたこのプリンは、通信販売で取り寄せることができる。

●エルルカン・ビス(HERLEQUIN BIS)
神奈川県足柄下郡湯河原町宮上744−49
https://www.facebook.com/herlequinbis/

●花兄園
http://kakeien.com/pudding_b.htm

メルシィ商会
「メルシィ商店」のブラジルプリン(プヂン)(画像提供/メルシィ商店)

同じく神奈川県厚木にある「メルシィ商店」は、添加物・化学調味料不使用の無国籍料理を提供する一軒家のレストランカフェ。フランスの郷土料理ガレットとクレープを担当する妹さんと、ブラジル料理を担当するお姉さんの姉妹が料理を手掛けている。

そしてガレットやキッシュとならび、ブラジルプリン(プヂン)は看板メニューだという。

お話を伺ったのは、まさにクリスマスシーズン。「この季節はホールの注文にも追われています」と語ってくれたのはブラジル料理担当のお姉さん。

「プヂンには、平飼い卵、コンデンスミルク、牛乳、バニラオイルを、カラメルには甜菜含蜜糖とラム酒を使っています」(メルシィ商店)

自然豊かな丹沢の麓、七沢温泉の入り口に位置するこちらのお店では、無農薬、有機栽培の地場産食材を中心に使用している。人気のブラジルプリン(プヂン)の味には、平飼い卵の存在も大きそうだ。

●メルシィ商店
神奈川県厚木市小野2293−3
https://www.instagram.com/mercishouten/?hl=ja

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トカクコーヒーの「中津さんのブラジルプヂン」(画像提供/中津雄春)

カフェの街としても知られる清澄白河では、ブラジルプリン(プヂン)は10年くらい前から人気を誇っている。当時「Arise Coffee Entangle」で提供されていた「中津さんのブラジルプヂン」は、リニューアルされて「トカクコーヒー(TOKAKU coffee+)」になってからも看板メニューとなっている。

こちらのプヂンはココアの、スポンジの上にブラジルプリン(プヂン)が乗っているのが特徴だ。「中津さんのブラジルプヂン」という名前なのは、ブラジルプリン研究家の中津雄春さんがレシピを提供しているため。

中津さんは普段は会社員だが、都内6店舗、大阪1店舗、宮城県2店舗の合わ計9店舗にレシピを提供しているほか、不定期のイベントなどでは自身の手作りプヂンを提供している。毎年開催されているKimobig主催の「ブラジル田舎っぺまつり」でも、中津さんのプヂンは欠かせない存在だ。

中津さんがはじめてブラジルプリン(プヂン)を作り始めたのは約12年前のことだという。

「初めてブラジルのプヂンと出会った店で、気に入っていたレストラン『サバス東京(後に「コパ東京」)』が閉店することになったのがきっかけで自分で作るようになりました。現在、僕がカフェなどにレシピを提供しているのは、プリンケーキ(Bolo de Pudim)。ココアスポンジケーキの上に濃厚なプリンが乗った二層のケーキです」(中津雄春さん)

清澄白河のカフェにレシピを提供したときのこと。試作品を試食した際に、自身が作った二層のプリンが「これほどまでにコーヒーに合うとは!」と興奮したことは今も忘れられないという。

●トカクコーヒー(TOKAKU coffee+)
東京都江東区清澄3丁目1−3
https://www.instagram.com/tokaku_coffee_plus/

ところで、ブラジル食文化研究家としても知られる「Mega Brasil」編集長の麻生雅人によると、ブラジルプリン(プヂン)にコンデンスミルクが広く使われるようになったのはおそらく1960年代以降とのこと。コンデンスミルクを使わない伝統的な味にこだわるプヂンも、ブラジルにはある。

鹿児島県鹿児島市のカフェ「DINIZ ジニス」の「ジニス家のプリン」は、ブラジル出身の店長ジニス・ペリクレスさんの家に代々伝わるレシピで、材料はミルク、卵、蔗糖、カラメル。コンデンスミルクを使っていない。

こちらのプヂンも通信販売で購入可能だ。

●ジニス
鹿児島県鹿児島市城山町2-30 石蔵
https://www.diniz.co.jp/products/sweets/brazilian-pudding/

そしてもちろん、ブラジル料理店なら確実にブラジルプリン(プヂン)に出会える。

(文/加藤元庸)▶次ページへつづく

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