アマゾンカカオ、クプアス…。サロン・デュ・ショコラ2024で注目度高まるアマゾンの食と文化
2024年 02月 8日初出店となる「ICON(アイコン)」はミニハンバーガー3種セットで、スパイスチョコで作ったモレバーガー、“カカオ醤”を使ったてりやきバーガーとともに、スパイスを加えたショウガジャムに、塊から削ったアマゾンカカオをかけて食べるバーガーを提供する(提供は2月9日(金)より)。
まさにカカオの“ネクスト”を感じさせるメニューを展開するシェフの片寄雄太さんは、「カカオをスパイスとして使ってハンバーガー作ったのは、たぶんうちがはじめてでは」と語る。
「もともと、いろいろな食材に挑戦してハンバーが作っているのですが、その流れでカカオを使ってみたらとても合った」という。
「4~5年前にアマゾンカカオに出会って以来、そこからいろいろな産地や品種のカカオを試してみるうちに、思っていた以上にカカオを使ったメニューが増えてしまいました(笑)」(片寄雄太さん)
今回、はちみつとカカオバターを合わせた自家製のハニーカカオバターを使うバーガーも提供している(2月8日(木)まで)片寄さんは、アマゾンに限らず様々なカカオを、ここの特徴を生かして、実に多様なスタイルで使っている。
そんな中でアマゾンカカオの魅力は、「繊細ではない、力強さ」という。
「どちらかというとスパイスに近い使い方をしているのですが、ハンバーガーはもともとベースのしっかりした食べ物なので、そこに負けない力強さが必要になります。雑味や荒々しさがあった方が、カカオが感じられるので、アマゾンカカオはバーガーに合うのです」(片寄雄太さん)
会場ではパート3後半(2月9日(金))からは、アマゾンカカオ餡を練りこんだフォカッチャ生地をベースに、カレー、カカオ入りモルタデッラ、アジアーゴチーズなどを乗せて焼かれた「フォカッチャ ショコラータ」(NiOR/ニオール、丹尾淳二シェフ)、アマゾンカカオを練りこんだ「アマゾンカカオのシュトーレン」(Bakery bank/ベーカリー・バンク、大山恵介シェフ・須貝文智シェフ)も登場する予定だ。
サロン・デュ・ショコラではこれまでもアマゾンカカオに注目してきたが、今年、さらにそのの存在が目立っているのは、サロン・デュ・ショコラの運営理念とアマゾンカカオの日本での広がり方がぴったりとはまってリンクしているからではないかと、サロン・デュ・ショコラ バイヤーの五藤久義さんは語る。
「サロン・デュ・ショコラは、チョコレートを販売するだけでなく、カカオを取り巻く食文化を伝えることを大事にしている催事です」(五藤久義さん)
最も大事にしているのが、現地のライヴ感を伝えることだという。
「カカオの産地と直接関わっているシェフやインポーターの方々を通して、産地の現状や社会背景の中で、現地の方がどんな考えで生産しているか、その想いをお客様に伝えていきたい、と思って取り組んでいます」(五藤久義さん)
このイベントの理念は決してアマゾンに特化した話ではなく、全ての産地に共通しているものの、最もアクティブに広がりを見せているのがアマゾンカカオのケースかもしれないと五藤さんは言う。
「イベントを通じて、素材と産地のノウハウを持っている生産者やインポーターさんが、世界中のいろいろな素材とさまざまなシェフとつながることで、お客さんにとってもさらに新しい体感価値が生まれていく。そして、各シェフが、素材に対する思い、クリエイションの思いをしっかり伝えていく。そんなサロン・デュ・ショコラのスタンスと、アマゾンカカオを広げている太田(哲雄)さんのスタンスとが見事にハマっていたことから、その成果が出ているのかもしれません」(五藤久義さん)
それに加えて、今年から、アマゾンカカオ自体もさらに深堀りされて紹介されている。
「これまでは太田さんがキーになってアマゾンカカオの食材提供を様々な方におこなっていただいていました。今回はそれに加えて、ブラジルの野生種カカオの紹介など、さらに別の観点からアマゾンカカオを紹介しています」(五藤久義さん)
サロン・デュ・ショコラならではの視点で、今後もカカオを通じてさまざまな産地を伝えていくと同時に、アマゾンもさらにディープにかかわっていく可能性もあるという。
「アマゾンに何があるのか、カカオを軸にしながら、もう少し広げてやっていってもいいのかなと思っています。サロン・デュ・ショコラのお客さんも期待値は高まっていると思います」(五藤久義さん)
サロン・デュ・ショコラ2024でアマゾンの野生種カカオを使ったメニューを紹介しているのが、今年初出店となる、レストラン「シンプルズ」(静岡県、シェフ」井上靖彦氏)&アマゾンの食材を日本に紹介する「アマモス・アマゾン」によるコラボチームだ(次ページへつづく)。