第97回アカデミー賞、ブラジル人が撮影監督を務める作品もノミネート

2025年 02月 24日
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『A Lien(原題)』の撮影監督を務めるアンドレア・ガヴァッツィ(写真/Divulgação)

3月3日(日本時間)に発表を控える第97回アカデミー賞では、「アイム・スティル・ヒア」が作品賞、主演女優賞・国際長編映画賞の3部門にノミネートされていることから、ブラジル国内では主演のフェルナンダ・トーヘス(トーレス)に注目が集まっているが、今回のアカデミー賞でノミネート作品に貢献しているブラジル人はフェルナンダだけではないと、現地メディア「オ・グローボ」が伝えている。

同紙が紹介しているのはアンドレア・ガヴァッツィ。サンパウロ出身のイタリア系ブラジル人で、短編実写映画賞部門でノミネートされている『A Lien(原題)』(アメリカ合衆国)の撮影監督を務めている。

この作品の監督はサム&デヴィッド・カトラー・クロイツ兄弟。ドナルド・トランプ大統領が統治する合衆国における移民の存在をテーマにした取作品で、エルサルバドル出身の、ある移民の一日を描いている。

自身もイタリア系移民の血を引くアンドレア氏は、母国でも海外でも移民としての実体験がある。アンドレア氏は少年時代、サンパウロ内陸部の小さな町カンポス・ノーヴォス・パウリスタと、イタリアの首都ローマを行き来しながら暮らしていた。イタリア語、ポルトガル語、スペイン語、英語に堪能な同氏は、イタリアで経済学を専攻して卒業後、ニューヨークで映画コースを受講して、現在はニューヨークで暮らしている。映画業界の舞台裏で、機械操作、電気技師、制作アシスタントなども経験してきた。

アンドレア・ガヴァッツは現在、数々の短編映画やミュージックヴィデオで撮影監督を務めており、近年では、『ブラック・スワン』の監督などで知られるダーレン・アロノフスキーがエグゼクティブプロデューサーを務めた長編ドキュメンタリー『ロウランド・キッズ/Lowland Kids』(サンドラ・ウィンテル監督)や、今年のサンダンス映画祭で上映されたメキシコとアメリカ合衆国の合作短編映画『スザナ/Susana』(ヘラルド・コエリョ・エスカランテ&アマンディーヌ・トーマス監督)でも撮影監督を務めている。

『A Lien(原題)』は、第97回アカデミー賞短編実写映画賞部門で『アヌジャ』(アメリカ合衆国)、『私は人間』(オランダ、ベルギー)、『The last ranger(原題)』(南アフリカ)『The man who could not remain silent(原題)』(クロアチア、フランス、スロベニア、ブルガリア)と受賞を競い合う。

(文/麻生雅人)

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