衣装でも注目集めるフェルナンダ・トーヘス
2025年 02月 25日
世界各国の数々の映画賞ですでにいくつもの賞を受賞している映画「アイム・スティル・ヒア」。
主演を務めたフェルナンダ・トーヘス(フェルナンダ・トーレス)もまた現在までにさまざまな映画賞の授賞式に登場しているが、メディアに登場するたびに、そのファッションも話題になっていると、ブラジルの現地メディア「NOSSA」が報じている。
1月5日(日)にはロスアンジェルスのビバリー・ヒルトン・ホテルで行われた第82回ゴールデングローブ賞の授賞式では、ベルギー出身のデザイナー、オリヴィエ・ティスケンスの衣装に、ブラジルのジュエリー・デザイナー、フェルナンド・ジョルジのジュエリーを身に着け、トロフィーを手中に収めた。
1月28日(月)にはパリのグラン・パレで行われたシャネルのオートクチュール・ファッションショーの最前列に座っていたことが「Gshow」で報じられている。ショーには、夫でもある映画監督アンドルーシャ・ヴァヂントンと共に参列していたという。
2月16日(日)にはロンドンのサウスバンクセンター ロイヤル・フェスティバル・ホールで開催された第78回英国アカデミー賞(BAFTA)の授賞式
で、マリア・グラツィア・キウリが手掛けたクリスチャン・ディオールのブラックのシルククレープドレスを披露した。
これらのフェルナンダの衣装のほとんどは、スタイリストのアントニオ・フラジャードの手によるものだ。
アントニオ・フラジャードは「NOSSA」のインタビューに対し「すべてが考え抜かれ、探求された作品です。そしてたっぷり愛情を込めた作品でもあります。なにより、その場その場のために考え、取り組んでいます」と答えている。
実際、リオデジャネイロ出身のスタイリストの仕事は世界各国のメディアでも評価されている。ファッション誌「W MAGAZINE」では「演技界のレジェンド的存在であるトーヘスは、最近ではめったにお目にかかれなくなった女性の優雅さを湛えながら活躍している」と紹介されたという。
また、フラジャードによると、授賞式でのフェルナンダの衣装は、彼女が映画の中で演じているエウニッシ・パイヴァの人生や経歴が反映されているという。ただし、あくまでフェルナンダ・トーヘスという存在を中心に据えながら、このテーマに取り組んだという。
「私たちにとって指でありテーマとなっているのはエウニッシの個性です。彼女は生きたキャラクターですから、私たちはなんとかして彼女をレッドカーペットの上で表現しようとしました。そして彼女は見事に、コミュニケーションにおけるファッションの重要性の本質を取り込んでいます。彼女はとても頭が良いので、作りあげるべきゲームと物語を創出することの面白さを、すぐに理解しました。実際に(衣装に)このテーマを反映させているのは、彼女自身です」(アントニオ・フラジャード)
「アイム・スティル・ヒア」がコンペティション作品として出品された第81回ヴェネツィア国際映画祭(2024年)にはヘルシコヴィッチ、第49回トロント国際映画祭ではヘイナウド・ロウレンソと、母国のデザイナーが起用された。そのほかにもアントニオ・フラジャードはここ数か月のフェルナンダに、やはりブラジルのデザイナー、ヘイナウド・ロウレンソや、ルイ・ヴィトン、ボッテガ・ヴェネタなどのブランドを用意してきた。
「NOSSA」によると、3月3日(日本時間)に開催されるアカデミー賞授賞式のレッドカーペットには、シャネルが選ばれるのではないかという憶測もあるという。
(文/麻生雅人)