ミナスジェライス州の自然と歴史を保存するカラサー大聖堂

2025年 03月 31日

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カラサー大聖堂で作られるカシャッサのひとつ。愛好家向けの「カシャッサカラサー大聖堂」(写真/Agencia Bibit/Divulgacao)

ミナスジェライス州といえば手作りチーズ(ケイジョ・アルテザナウ)の名産地であると同時に、手作りカシャッサ=クラフト・カシャッサ(カシャッサ・アルテザナウ)の名産地としても有名だ。

サトウキビから作られる蒸留酒カシャッサはブラジルの国民酒。最も生産量が多い州は、大量生産を目的とした工業カシャッサ(カシャッサ・インドゥストリアウ)の大手メーカーが集まっているサンパウロ州だが、クラフト・カシャッサの生産量(つまり手作りカシャッサを作る蒸留所の数)が最も多いのは、ミナスジェライス州となる。

カラサー大聖堂では、地元のガストロノミーを求めて訪ねてくる観光客に同州の名物でもあるカシャッサをふるまうため、カシャッサ生産者などと協力を得て、複合施設内でのカシャッサの製造と販売所を開始した。

カラサー大聖堂ではかつてカシャッサの製造が行われており、今回の復活は大聖堂の歴史をよみがえらせるプロジェクトだという。

「20世紀の初頭にはここで神父たちの手で製造されていましたが、1968年の火災で生産は中止されていました」(エマノエウ・ベデー神父)

地元メディア「エヂサォン・ド・ブラジル」(12月20日付)は、大聖堂のエマノエウ・ベデー神父の発言を紹介している。

「原料のサトウキビは複合施設内にあるエンジェーニョ農場で栽培され、搾汁、そしてカシャッサのすべての製造工程…発酵、蒸留、瓶詰まで…をここで行います。施設外の販売店への配送も可能です」(エマノエウ・ベデー神父)

カシャッサ生産の再開が本格的にはじまるきっかけは、神父が旅先で、同州にあるカシャサリーアス・ノーブリ蒸留所のジオヴァーニ・ジェロニモ・ペレイラCEOとの出会いだったという。

「対話が始まり計画は発展していき、時間をかけてその計画を準備建てていきました」(ジオヴァーニ・ジェロニモ・ペレイラCEO)

カシャッサの生産は、大聖堂の歴史を復活させるだけでなく、地域の観光業にとってもプラスの効果が期待されている。

「観光客に新たな魅力を提供することも目的のひとつです。旅行者には製造を公開して、予約制でガイドをつけて工程を見学してもらいます。また、街道にある数々の蒸留所とも協力しあって、カラサーでカシャッサウィークを開催したいと考えています」(エマノエウ・ベデー神父)

大聖堂では、愛好家向け、初心者向け、女性向けなど、幅広い消費者に向けて数種類のカシャッサのブランドを製造している。

(文/麻生雅人)