2025年のパスコアの卵型チョコレート、価格高騰でも消費は堅調

2025年 04月 20日

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2025年もパスコア(復活祭)シーズンにスーパーマーケットにディスプレイされている卵型チョコレート(撮影/麻生雅人)

データ調査会社ネクサスの発表によると、ブラジル人の52%がパスコア(復活性/イースター)に卵型チョコレートを購入する予定で、一人当たり平均3つの商品を購入する予定だという。

しかし、昔は、プレゼントとして贈られていた伝統的な装飾用の卵は、どのようにして、この時期になると店の棚を占領して、子どもたちが待ち望むチョコレートで作られた卵に変化したのだろうか?

神学博士でもある、教皇庁立パラナ・カトリック大学のアナ・ベアトリス・ジアス・ピント教授は、装飾用の卵からチョコレートの卵への変化は、市場に適応した結果だと説明する。

「卵は古代から豊穣と生命の象徴であり(キリスト教以前から、異教の儀式や東方キリスト教の伝統にも存在していた)、チョコレートの卵を贈り物として贈る習慣は、イースターの産業化と商業化のプロセスの結果であり、19世紀を通じて活発になり、175年間続いてきました」(アナ・ベアトリス・ジアス・ピント教授)

教授兼研究者によると、最初の卵型チョコレートの製造は、1850年頃にフランスとドイツで始まったという。

「それは、より美味しく可愛いものを贈るという選択でした。以前は、鶏、アヒル、ダチョウの卵で、絵や装飾で視覚的ににぎやかにされていましたが、非常に壊れやすく、サイズも一般的に小さかったのです」(同)

卵型チョコレートの大きさは、産業の成長や発展とともに変化していった。

「ある国々では、人間一人分くらいの大きさの卵もありました」(同)

教授によると「マーケティングによって、卵型チョコレートは市場の消費行動に貢献しましたが、本来パスコアのシンボルとされていた側面、たとえば、ろうそく、うさぎ、パスカルキャンドルは、生命と再生を表しています。広告キャンペーン、おもちゃ、お祭り気分の包装とは関連性はありません」(同)

ブラジル・チョコレート、ピーナッツ、キャンディ産業協会(アビカブ)は、今年のパスコアのチョコレート生産量は約4500万個に達すると予測している。カカオの生産が危機に瀕して価格が上昇しているにもかかわらず、依然として注目すべき数字となっている。

(記事提供/AgênciaBrasil、構成/麻生雅人)