マラニョン州のシンガー・ソングライター、フラヴィア・ビッテンクールが来日。大阪・関西万博でフリーコンサートを開催

2025年 05月 21日

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フラヴィア・ビッテンクール(画像提供/ApexBrasil ブラジル貿易投資振興庁)

大阪・関西万博のブラジル館は、5月23日(金)~25日(日)、本国からアーティストを招聘してブラジル音楽コンサートを開催する。コンサートはフリーライヴで観覧料は無料。

会場はEXPOアリーナ「Matsuri」。

出演するのは、国内外で活躍する北東部マラニョン州サンルイス出身のシンガー・ソングライター、フラヴィア・ビッテンクール。

10代のころからキャリアをスタートさせた彼女は、ドミンギーニョスやレ二ーニ、エリゼッチ・カルドーゾ、ビートルズなど、北東部の音楽からサンバ、洋楽まで、幅広い音楽に影響を受けているという。同時に、故郷マラニョン州の伝統芸能であるブンバ・メウ・ボイやタンボール・ジ・クリオーラ、サンルイス市のカルナヴァウの名物である伝統的なブロコ(アフリカ由来のリズムを奏でるサンルイス独特のスタイル)からは音楽面に加え文化的な表現も含め多大な影響を受けている。

2005年にアルバム「センチード」でデビュー。アルバムに収録されたカヴァー曲「テーハ・ジ・ノエウ(ノエウの故郷)」が、グローボ放送網で同年に放送されたテレノヴェラ(連続テレビドラマ)「アメリカ」の挿入歌として起用され注目を集めた。

「テーハ・ジ・ノエウ(ノエウの国)」は、同郷のシンガー・ソングライター、ジョジアス・ソブリーノが発表したサンバで、マラニョン州の音楽家の作品を集めた企画アルバム「ぺドラ・ジ・カンタリーア」に収録された曲。いかなる困難や苦境にも屈せず誇り高く生きるブラジル人の心意気が歌われている。リオデジャネイロのヴィラ・イザヴェウ地区で1930年代に名を馳せたサンバのシンガー・ソングライター、ノエウ・ホーザにも捧げられている。ドラマ「アメリカ」では、ヴィラ・イザヴェウ地区を舞台にしたパートで使用された。

2010年に発表された2作目のアルバム「トド・ドミンギーニョス」は、フォホーを中心とした音楽を聴かせるアコーディオン奏者、シンガー・ソングライターのドミンギーニョス作品集で、ドミンギーニョス本人も参加している。

故郷サンルイスのアルトゥール・アゼヴェード劇場で行われた活動10周年を記念するコンサートを収録したDVD「レーヴィ」には、同郷の先輩アウシオーニ、北東部リオグランジドノルチのアントゥーリオ・マドゥレイラ、リオのサンバのシンガー・ソングライター、ルイス・メロジーア、サンルイス市の伝統的なブロコ、オス・フェラスが参加している。

2013年には3作目「ノ・モヴィメント」を発表。

女優としても活躍する彼女は、2018年にフレデリコ・マシャード監督の「オルビタス・ダ・アグア」、2019年にマルコス・ポンツ監督「ショランド・シ・フォイ」などの映画にも出演している。

これまでにフランス、スペイン、イギリス、アメリカ合衆国、ポルトガル、アンゴラなどでも音楽祭への出演やコンサートを行い、国境を越えて活躍している。

コンサートは5月23日(金)~25日(日)、各日午後14時30分から16時、EXPOアリーナ「Matsuri」にて行われる。

(文/麻生雅人)