ブラジルの果物生産者は、トランプ関税ショックが価格下落を招くと予測

2025年 07月 22日

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ブラジルの小売店に並ぶブドウ(写真/Valter Campanato/Agência Brasil)

米国によるブラジル製品への50%の関税賦課を回避するための代替案がない場合、果物輸出業者は主要輸出品であるマンゴー、ブドウ、アサイーパルプの価格下落を免れないと考えていると、現地メディア「グローボ・フラウ」が伝えている。

ブラジル果物・加工品生産輸出業者協会(Abrafrutas)によると、これら3品目は、対米輸出全体の90%を占めているという。

国内市場への影響は、それぞれの作物の収穫カレンダーに応じて感じられることになるとみられている。最初に収穫が始まるマンゴーは、現時点ですでに収穫期に入っており、関税が発効する予定の8月に、出荷が始まる予定だった。

「船上のスペースは確保されており、梱包材も購入し、すべての手順も進み、収穫を始める準備はすべて整っていました」と同協会のルイス・ホベルト・バルセロス組織運営監督は語る。

北米への主要輸出品であるマンゴーの生産者は、5,000万米ドル以上の売上を見込んでいた出荷交渉を、既に中止している。この税が導入されれば、2025年の輸出量は最大70%減少するとの推計もあるという。その動きは、ヨーロッパなど他の地域への輸出価格にも影響を与える可能性があると懸念されている。

(文/麻生雅人)