COP30議長、各国に気候目標の提出を要請

2025年 08月 20日

0d4a3289
COP30アンドレ・コヘーア・ド・ラーゴ議長(写真/ Antonio Cruz/Agência Brasil)

第30回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP30)(2025年11月にブラジル、パラー州ベレン市で開催予定)の開幕まで約80日を残す現時点で、パリ協定に署名した197か国のうち約80%が、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの削減目標をまだ更新していない。

警鐘は、COP30議長に指名されているアンドレ・コヘーア・ド・ラーゴ大使が、8月19日(火)に国際社会へ向けて発信した第6回目の公開書簡の中で示された。これらの目標は「国が決定する貢献(NDCs)」と呼ばれている。

「各国は、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)がNDCsを適時に受け取り、統合報告書に反映できることの重要性を理解しています。NDCsは、パリ協定への国家的貢献として提示されるものであり、多国間主義と気候制度への最も力強いコミットメントの証です。何よりも、NDCsは政府が自国民に対して示す責任の表われです」と、コヘーア・ド・ラーゴ大使は文書の中で述べている。

「COP30まで残り100日を切った今も、パリ協定の加盟国の約5分の4が、2035年に向けた新たなNDCsをまだ提出していません」と、コヘーア・ド・ラーゴ大使は警鐘を鳴らした。

気候変動の進行を防ぎ、地球温暖化を1.5度(摂氏)以内に抑えることを努力目標とした世界最大の国際条約であるパリ協定は、今年で締結から10年を迎える。しかし、各国はその履行に失敗し続けている。

地球の平均気温が産業革命以前(19世紀)の水準から1.5度上昇することは、気候変動の影響を抑制できる限界とされている。それを超えると、研究者たちは「戻ることのできない臨界点」に達する可能性があると警告している。

国連環境計画(UNEP)によると、2035年までにこの温度上昇を食い止めるためには、温室効果ガスの排出量を57%削減する必要がありるという。

NDCs(国が決定する貢献)をまだ提出していない多くの国々は、2025年9月24日までに新たな目標を公表する見込みとなっている。この日には、国連総会(第80回)の開催に合わせて、アントニオ・グテーレス国連事務総長がニューヨークで特別イベントを開催することが予定されている。

COP30議長はまた、今週火曜日、会議の中心的な議題に関する協議を前倒しで開始することを発表した。これらの協議は通常、会期の第2週に入ってから行われるのが慣例となっている。

「COP30に向けて、これらの重要課題に関する作業が包摂的で透明性があり、予測可能なプロセスにしっかりと基づくようにするため、COP30議長による『議長協議』を、補助機関(SBs)の会期の合間に直ちに開始します。これにより、本来ならCOPの2週間に先送りされていた進展を前倒しで達成できるようにします」(アンドレ・コヘーア・ド・ラーゴ大使)

コヘーア・ド・ラーゴ大使によると、これらの協議はCOP29議長および補助機関の議長らと連携して実施される予定とのこと。

「過去のCOPにおいて、議長による協議は、政治的に注目度の高い課題や技術的議論の行き詰まりを打開するうえで、非常に効果的な手法であることが証明されてきました。包摂性と透明性を確保しつつ、COP30議長協議が、現在の正式な議題項目では扱われていない優先事項を各国が持ち寄る場となることを期待しています」(アンドレ・コヘーア・ド・ラーゴ大使)

協議は今後数週間以内にオンラインでの予備セッションから開始される予定。その後、すべての交渉グループおよび参加国による対面協議が2回実施される。第1回は9月25日にニューヨークで、国連総会(第80回)の開催期間中に行われ、第2回は10月15日にブラジリアで、プレCOPの閣僚級会合の終了後に予定されている。

COP30本会期では、議長協議が11月10日から再開される。これらの協議と並行して、COP30議長団は国際的な代表者とともに、COP30の成果にとって不可欠な5つの柱――「緩和」「適応」「実施手段」「公正な移行」「GST/グローバル・ストックテイク(排出削減目標の2年ごとの評価)」――に関する追加協議を進める方針を打ち出している。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)